ダンボールハウスの主は言いました。
「この間、おもしろいカードをもらったんだよ。絵柄がとっても綺麗なのっ。
『シマリス書店』さんに、このカードについて載っていて、
引けばどんな事でも、いろんな事が分かるんだって。
すごく面白そうだったから、何冊か解説書も買ってみたんだよっ。
(非常に初心者の気配がする)
それでも、持ち主によっては外れたりもするみたい……
でも、そんな時には魔法の呪文があるって、辻占いをしているおじいさんが教えてくれたの。
「当たるも八卦! 当たらぬも八卦!」
叫んでおけば大丈夫なんだってっ。それでも良ければ占いの勉強も兼ねて、少し占わせてくれないかな?
(テーブルには、絵柄が綺麗なカードが置いてある)
--------------
(端っこに、変なカードが置いてある)
あ、それね。解説書のおまけでついてたのっ。
絵柄が『あんまりにも、へん』だったから、ついカードの方がほしくなっちゃって……
『シマリス書店』さんは何でも売ってるんだねっ。
こっちでも占えるけど……結果もへんだから気をつけてね?
※どちらかお好きなカードをお選びください。綺麗なカードはそれなりに、変なカードはそれっぽい結果がでます。
はじめまして、ごきげんよう
お噂には聞いてましたが……随分と流行っておりますのね。
物腰柔らかで笑顔も朗らか、皆様が癒されているのがわかりますが
さて、今日うかがいましたのは……その、恥ずかしいのであまり大きな声では申せませんが、恋占いをお願いしたくて(頬を赤らめて俯き)
わたくしはゼシカ・ホーエンハイム、星ヶ丘教会でシスターを務めております
実はわたくしには長い間お慕い申し上げている殿方がおりまして……遠く離れた故郷ドイツ、両親を亡くし孤児となったわたくしを誠心誠意育ててくださった神父様です。
神父様とは今でも文通を続けております。恋と申しましてもわたくしは信仰にすべてを捧げた身、それは育ての親への敬慕の念に似た淡い初恋にすぎないかもしれません。
……ですが最近、このままでいいのかと悩むようになりまして。
わたくしが片想いを続ける事がもし神父様の重荷になっていたら……
もちろん、手紙ではそのような事一言もほのめかしておりません。
ですが神父様は洞察力に優れたお方、行間からわたくしの悶々たる悩みをを酌みとってしまうやもしれません。
それにこの気持ちが恋愛感情なのか尊敬の念が高じたものなのか、自分で判じかねているのも事実です。
わたくしは神父様の幸せを祈っております。
ですがそろそろ親離れしなければ。
庇護下にあるわたくしが一人前に自立しない限り神父様は安心できず、わたくしを一人の女性として見てくれることもけしてない……
神父様への片想いを吹っ切って、信仰に身を捧げるべきか。
一生死ぬまでこの想いを秘め続けるべきか。
勇気をだして告白するべきか……
もし、もし告げるのが正しい選択ならば、手紙がいいのかご本人に直接言った方がいいのか。
どのような状況でならお互いに禍根を残さずにすむのか。
どれが最善の選択か、何度尋ねても神は答えてはくれません。
きっとこれもわたくしに与えられた試練の一つなのでしょうね……
わたくしは修道女。還俗は考えておりません。
結婚や出産など人並の女の幸福は望むべくもございませんが、心は常に主と共に在ります。
どうか心弱きわたくしをお許しください
今だけは主ではなく、一人の女として悩みを分かち合う事を許してくださいまし
(胸の前で手を組んで十字を切り)