ダンボールハウスの主は言いました。
「この間、おもしろいカードをもらったんだよ。絵柄がとっても綺麗なのっ。
『シマリス書店』さんに、このカードについて載っていて、
引けばどんな事でも、いろんな事が分かるんだって。
すごく面白そうだったから、何冊か解説書も買ってみたんだよっ。
(非常に初心者の気配がする)
それでも、持ち主によっては外れたりもするみたい……
でも、そんな時には魔法の呪文があるって、辻占いをしているおじいさんが教えてくれたの。
「当たるも八卦! 当たらぬも八卦!」
叫んでおけば大丈夫なんだってっ。それでも良ければ占いの勉強も兼ねて、少し占わせてくれないかな?
(テーブルには、絵柄が綺麗なカードが置いてある)
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(端っこに、変なカードが置いてある)
あ、それね。解説書のおまけでついてたのっ。
絵柄が『あんまりにも、へん』だったから、ついカードの方がほしくなっちゃって……
『シマリス書店』さんは何でも売ってるんだねっ。
こっちでも占えるけど……結果もへんだから気をつけてね?
※どちらかお好きなカードをお選びください。綺麗なカードはそれなりに、変なカードはそれっぽい結果がでます。
…あーあー痛い痛い痛い。何だろう、ものすっごく痛い子だな、僕!知ってた筈だけど!
(心底がっくりして顔を両手で覆い)
その実何も間違ってはいないけれど一匹狼気取りのハリネズミより性質が悪い。…あー、やっぱり人に言われるとこう、…いや、維都月には何一つ罪は無いな。
(ふぅ、と一息吐き)
…と、まぁこうやってリスクも言葉遊びもかなぐり捨てて感情を露にすると“人”に戻って来れるというか、現在を生きてる感じがする。
この振り回され感に疲れるとか嫌気が差すってプライドは遅かれ早かれゴミ箱行きにしろって事はよく解ったよ、今。
(若干げんなりしていたものの自分自身もすっと背筋を伸ばし)
今すぐ聞き入れるのは難しいけど確かに聞いたよ。その言葉は、結果は、大事な物だ。それは今から意識的に取捨選択を始めるとして、「取」とすべきことの第一号だね。
『突然の消失』……。
(思わず小さな泡を水面の縁へ横一列に並べた様に呟き)
……そう。
(ひどく神妙そうに聞き入った後少し瞑目してから浅く頷き)
少なくとも今は即時切り捨てる気にはなれないんだ。その存在は今、僕が寝子島高校で芸術に携わるにあたって必要な目と手でもあるから。
けれど、力ずくで引き摺って進んでもいずれ自分の意思できちんと別れを告げられるというのなら、きっとその方がもう1人の僕と今の僕…即ち弥逢遊琳という人間にとってとても良いことの様に思う。
有難う。
(思考から半歩遅れの言葉紡ぎをそこで終えると仄かに苦い笑みを淡く浮かべ)
…ごめんね、一言で言うなら「それを聴いてほっとした」とか「気が明るくなった」とか言えばいいのだろうけれど。
君には僕の気持ちをなるだけ正しく知ってもらいたいと思って。それが誠意でもあり、或る種お礼だとも感じたから。
(「既に抱えて生きる事を選んでいるようにも~」という言葉に思い当たる節があったかはにかみがちにぎこちなく頷くも努めて苦笑らしき表情をしてみせ)
その辺りに関しては、またその内此処へ来て何か相談するかもしれない。
さっき、少し「縁」という言葉を使ったでしょう?思う所はあるのだけれど、兎角それは君の言を借りるならこのタイミングではないと思うんだ。
(そう言ってとても優しい顔をして)
だから、―君に感謝と敬意を込めて―…『また今度』。ね。
…さて、やっぱり長くなってしまった。浅山、呼んでこなくちゃ。
(立ち上がってお茶を飲み干すと待合室の方へ向かい)