このオハナシはある教室の廊下に静けさがもどった数日後のことであるーー
■寝高レンジャー部〜部室〜
とにもかくにもいつも賑やかなその部屋だが今はその声の主である部員及びあらこめレッドが不在。風の音と何かしらの機械音が微かに聞こえるのみだ。だが耳をすませば、「やっと静かになったか」だとか「こんなに散らかしやがって」と、部室の声がため息まじりに聴こえるかもしれない。なんとも気苦労な部室である。そんな気苦労な部室にとって、この静寂はつかの間の休息とはいえど楽しみにしていた時間なのであって…まさか急な来客が来るとは思わなかった。
だって普段も客なんてこないし。
「へぇ〜ココがやつらの部室かい?やけに散らかってるじゃないか」
「…あれ?ラップ張ってないね?窓ガラスがわりに張ってるって聞いたんだけどな〜♪」
ケラケラと笑いながらその客は部室の中へ踏み込んでくる。しかもどうやら客は一人ではないらしい。それも窓ガラスを割ったことを叱りにきた教師でもなく、部員達の保護者でもなく、いつもこの部室を賑やかしている彼等と同じ生徒のようだ。
「…やるのは大歓迎だけど女の子が痛い目にあうようなものはやめて欲しいかな、僕としては」
「ならそこの教卓に置いてある本はどうです?そういった本を女性が読むとは思いませんし〜」
「なっ…!は、はれんちな書物をこんなところに置くとは…!こいつらに恥はないのか!」
かといってこの部屋の主に助けを求めてきた依頼人でもない。
部室の中に侵入してきたその集団は部屋の中を見渡し、物色し、何かを探しているようにも見える。
「あっ、この辺りなんてどうでしょう!驚かすのにはぴったりだと思うのですよ〜♪」
「うん、いいと思うさー。驚き過ぎて腰を抜かしてる姿が目に浮かぶよー。じゃ早速……」
彼らの目的は果たして…
「…ではこれより、悪戯を開始する」
(いつのまにか着ている。)
わー、このフリフリしてるのいいねー?
「いらしゃんせーご主人さまっ!☆(キラッ」