旧市街、参道商店街にある手打ち蕎麦屋『すすきの』
暖簾をくぐって中へと入ってみれば、出汁の香りか、天麩羅の香りか。
席に座って出されたお茶を飲みながらメニュー表を覗いてみると、
筆で書かれたしっかりとした文字が目に入ってきます。
・かけそば
・鴨南蛮
・天麩羅そば
・月見そば
・ざるそば
・天ざるそば
・寝子島そば定食…日替わりのそば定食
・サンマそば定食…サンマの蒲焼がのった掛けそば定食
その他にも季節ごとのメニューもあるようです。
お気軽にご注文下さいませ。
「あなたのそばに蕎麦屋すすきのーすすきのー」
孫娘の五月が接客の合い間にテーマソングとばかりにおかしな調子の歌を口ずさんでおりますが、
深い意味はありません。恐らく気分です。そして仕様です。
>秋風先輩
あなたのそばに蕎麦屋すすきのーすすきのー。
(と、ふと歌声に気がついて顔をあげて)
おお。何と見事なハーモニー。
拭き方のお褒めを頂き、この薄野五月、恐悦至極に存じます。
それにしても実に。実に良いハーモニーでした。(力強く)
この蕎麦屋すすきののテーマソングを作る際には、是非ご一緒願いたく……
……はっ!
これは失礼致しました。いらっしゃいませー。
お席へご案内致しますー。
>雪見さん
(扉の開く音に気がついて)
いらっしゃいませー。
あなたのそばに蕎麦屋すすきのーすすきのー。
お席へご案内致しますー。
今日も春らしい天気で気持ちがええですねー。
(寝子島高校の学生さんだーと思いながら、ひょいひょいと席へご案内しつつ)
>青野先輩
おお、お客様が。いらっしゃいませー。
蕎麦屋すすきのーすすきのー。
(お客様がたくさんでどこか嬉しそうにしながら)
(お茶とお漬物の乗った小皿をテーブルに置いて)
はい。かけそば一つですね。かしこまりました。
蕎麦屋すすきのまごころ込めて、美味しいお蕎麦をお持ち致します。
それでは少々お待ち下さいませー。
おじいちゃん、かけそば一つー!(と店主に声を掛け)