旧市街、参道商店街にある手打ち蕎麦屋『すすきの』
暖簾をくぐって中へと入ってみれば、出汁の香りか、天麩羅の香りか。
席に座って出されたお茶を飲みながらメニュー表を覗いてみると、
筆で書かれたしっかりとした文字が目に入ってきます。
・かけそば
・鴨南蛮
・天麩羅そば
・月見そば
・ざるそば
・天ざるそば
・寝子島そば定食…日替わりのそば定食
・サンマそば定食…サンマの蒲焼がのった掛けそば定食
その他にも季節ごとのメニューもあるようです。
お気軽にご注文下さいませ。
「あなたのそばに蕎麦屋すすきのーすすきのー」
孫娘の五月が接客の合い間にテーマソングとばかりにおかしな調子の歌を口ずさんでおりますが、
深い意味はありません。恐らく気分です。そして仕様です。
>秋風先輩
(雨寺さんとの会話を聞きながら、どこか嬉しそうに目を細め)
おお、テーブルマナー!ええ、大丈夫です。
お家でお食事される時をイメージして頂けたら、それで大丈夫ですよー。
(ふと、そばつゆに手を伸ばした先輩を見て)
あっ先輩、先輩。ちょいとお待ちをば。
蕎麦って名前がついとりますけど、中に餡子が入っているお饅頭なんで、
そのままお召し上がり頂いて大丈夫なんですー。
外の皮の部分に蕎麦粉が使われておりまして、それで蕎麦饅頭って言うんです。
しかし……つゆ掛け蕎麦饅頭。
それもなかなか面白いアイデアやもしれませんねー(メモメモ)
ええ、増えたり減ったりを繰り返しておりますが、
基本のメニューは昔から続いているんですよ。
季節のメニューは、その時その時で貼っているんですけどね。
緑のたぬきは……ふっふ。(先輩の言葉が面白かったらしく、ほんのり笑いながら)
>青野先輩
(聞き覚えのある声にひょいと体を向けて)
いらっしゃいませー!
あなたのそばに蕎麦屋すすきのー……あ!青野先輩、いらっしゃいませー!
(暖簾から見えた顔に嬉しそうに頭を下げて)
はい。4名様ですね、ありがとうございますー。
どうぞこちらへ。お席の方へご案内させて頂きます。
(と言って、カウンターかを一瞬迷った後、4名様掛けのテーブルへと御案内)