参道商店街の隅にひっそりと佇む小さな店。
手動の扉を押し開けたのなら、雑然と並んだ数列の書架と古本の独特な匂いが客人を歓迎してくれる。
狭い店内に溢れんばかりの沢山の本が、大雑把なジャンルごとに棚に収まっていたりはみ出していたり。
いちばん奥のカウンターでは、ぼややんとした雰囲気の初老の男性が。
──あるいは客を追い払いでもするかのような鋭い目付きの少年が、客人を待ち構えている。
立ち読みはご自由に。休憩用の小さな椅子も、備え付けられている。
暇を持て余した少年に愚痴を零すもよし、棚に溢れる本の中から目的のものを探すもよし。
本を愛する全ての人に、坂井書房の扉は開かれている。
>浩哉
おぅ!よろしくな浩哉!(笑)
そっかそっか、友達作るのって難しいよな。
それじゃ俺が友達第1号だ!(笑顔を向け)嫌か?
敬語は苦手、なんで。それじゃあ遠慮なく。
ああ、こちらこそ──…秋風。
いや、今のところはまだ。……こんなみっともないこと、人に話すものでもねえな(溜息を吐いて、頭を掻いた)
友達を作るとか言うのも、まあ勝手に親父が言ってただけだし、
俺は別にこのままでも構わないけどな。(視線を逸らして、素っ気なく言い放つ)
>浩哉
はははっ!いーっていーって、学校の外でまで敬語なんて堅苦しいだろ?普通に話してくれていいぜ!(笑)
坂井 浩哉か。それじゃよろしくな浩哉!
へぇー桜花寮に住んでるのかぁ。友達を作る為にかぁー、うん?一人部屋?桜花寮では友達作れた?
へえ、そりゃあ奇遇だな。
……って、先輩だった──でしたか。(ぽりぽりと頬を掻いて)
俺は、坂井 浩哉(さかい こうや)、です。……こちらこそ、よろしく。(軽く会釈する)
桜花寮、です。親父が「お前はうちから離れて友達を作るべきだ」とか何とか言って。まあ、今は一人部屋なんですけどね。
>浩哉
おぉーやっぱりか!俺も寝子島高校生だぜ!
俺は2-10組体育科の秋風 透!(あきかぜ とおる)よろしくな!
へぇー、寮ってどこの寮に住んでるんだ??
おう。察しの通り、俺も寝子島高校だ。クラスは1-1。
いつもは寮に住んでるんだが、今は店番。ったく、退屈ったりゃありゃしねえな。
……んで、お前は?
>浩哉
おぉー、ありがとう!うん?その服はもしかして??
……いらっしゃい、ませ。(微妙なカタコトで)
ああ。そっちの棚と、ハードカバーはあっちにある。(二カ所を順番に指差す)
俺がいらっしゃいましたー!(元気良く入店)
店員さん、ミステリー小説は置いてある??
つくづく退屈だよなぁ、店番ってのは。(欠伸を噛み殺して、文庫本から視線をあげる)
……何か、暇つぶしになるようなものが来ねえもんかな。