石造りの2階建て、その1階が店舗スペースである。
日の差し込む一角が外から中が見えるショーウィンドウにはサンプルの箒が飾られており、申し訳程度の客引きとなっている。
店内は開放的で存外物は少なく歩きやすい、シンプルでナチュラルなテイスト。
魔法具の材料となる素材のサンプルが宝石箱のような物に入った状態で設置されている円形の大きめなカフェテーブルが空間の中央にあることと、奥に元は喫茶かバーでもやっていた建物なのかカウンターテーブルがあること、そしてお試し用の品を収めたガラスケース程度。
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入口には、
【小さな道具、お買い求め頂けます】
【魔法の手助け致します】
・小さな素材を貴方に合った形に加工します。
箒の材料でも、貴方が持っているものでも、此処にあるものでもかまいません。
星の力に『形』を持たせる際の補助に。小さな変わった小物として。お気軽にご相談下さい。
・店主が趣味で作った道具達もお譲り致します。
如何せん、癖が強い子が多いこととは思いますが気になった子、手に触れてみたい子が居た場合はお気軽にお申し付け下さい。
と記されたボードも置いてある。
現在の商品説明板(コメント8~10が現在のラインナップ。ツイッターで紹介した分の在庫も店の奥に)
https://rakkami.com/topic/read/2655
うん、俺の記憶の上でも無い。…けちー。
(きぱっと言い切った後どこか拗ねたように続け)
(人の声にようやっと、しかしながら名残惜しげに身を起こし)
…ああ、いらっしゃい。まだも何も俺達2人が寝てたり出掛けてなきゃ殆ど開いてるよ。
何か欲しい物がある人?それとも、用もない筈なのに気になってしょうがなくなっちゃった人?
(接客役のくせに客を出迎えには行かず、行儀悪くもカウンターテーブルに頬杖をついて興味に爛々と瞳を輝かせながら来客を見つめ)
今日は、誰か来るって思ってた。お兄さんのことかもしんない。