店内には客が見やすいように大きめの文字で書かれたメニュー表のようなものがある。
基本形態であるオーダーメイドに関する説明のものと、既存商品一覧の2つ。
※既存商品は基本一点物の為、売れた場合は無くなりますのでご了承ください。
【箒】
・御神酒に酔って幹から舞い落ちたが、榊の葉船で沈まなかった桜の花びら達を集めて穂にした箒。柄にはお酒好きな藤蔓を使い、くらりくらりと酒精に浮かれて春霞に溶けて浮かぶ。柄と穂の境には花に浮かれて飛ばなくなら無いための(二度目と落ちる事のないための)戒めと守りに榊の船を。いくら危なっかしい軌跡でも地に落ちる事はない春酔いの箒。その枯れることの無い美しさから常盤の箒と呼ぶ人も居る。
【変わった小物(材料にも使えます)】
・木漏れ日を写し込んだ古びた初夏のお屋敷の天窓から作ったブローチ。ただの硝子であるのに、きらきらとした翠が幼い炎のようにブローチの中で揺らめいている。時折清涼な風音を運ぶ。
・月夜の波に洗われて内側に星を宿した硝子。暗い場所へ連れて行くと夜空に焦がれて螢のように淡く光る。装飾にも、カンテラの火種にも。
・灯籠を模したランタン。見た目は紙製であるが火に強くそのランタン自体の骨組みや紙が燃える事はない。ひっそりと神様が引退した社の梁の木を紙と骨組みに使ってい るそう。中の炎を守る蚊帳の灯籠。
・異国に咲く淡雪で出来た花で作ったヘアピン。春から夏にかけて雨の雫に似た透き通った種子を持ち、秋に芽吹き、冬に咲く。ツタが組み合わさったかのような本体形状で、時折雪の結晶にも似た装飾が生まれる。見る者を飽きさせない雪花のピン。
【魔法具】
・御神酒に酔って舞い落ちたが、榊の葉船で沈まなかった桜の花びらを早春の雪解け水に晒した布に仕舞い込んだ1枚の大きなストール。マントのように羽織ることも出来る。布の裾部分には頬を染め、雪に埋もれ 、春に顔を出した紅葉の子も隠れている。春に秋に、季節の境に、くるりくるりと布の中を楽しげに舞う桜の軌跡が、その日の布の柄を決める。
・砂のお城の欠片を使った砂時計。逆さにする度、砂時計の硝子の中に砂のお城が現れる。砂時計の砂が全て落ちきり、完全な砂のお城が出来るとそのた都度に1つだけ夜空の話をしてくれる。何故夜空の話なのかは、その砂時計に聞いてみると良い。きっと嬉々として話してくれるであろうから。眠れない夜の枕元に。羊を数える事に飽きた方にもお勧め。