(おもむろにスケッチブックに文字を書き出す)
『あ、こ、こんにちは。ここは学校の屋上みたいですね…教室は凄く賑やかですし、ここなら少し落ち着けるかなと思いまして…。
まだ昼休みですし、街の景色を眺めながらゆっくり時間を過ごしながら交流出来たらいいなって思ってます。』
ーー皇昴か。良い名前だな。
おう、学年ピンバッジしか見えなかったから、一年呼ばわりしちまったよ。まあ、いきなりお前呼ばわりも変だったから、一年って呼んだってワケで……あ、お前呼ばわりとそんなに変わらないか。
(ベンチに向かい歩を進め、後ろから歩く皇に向け言葉を発し、自分の発言に苦笑いを浮かべる。丁度屋上にいる人影はそこまで多くはなかった。制服のジャケットを脱ぎ腕捲りをした後に気付いたようにうつ伏せになった皇に向けて声だけが聞こえた。)
どうしても何もこうなっちまったんだから、流れに任せろって……おお、忘れていた。俺は3年4組の都築 弦一郎。……俺の父親が接骨院経営しててな、俺は進路に医療系希望してるから、将来こういう仕事したいなって思ってるワケよ。小さい頃から接骨院で見てきたから、プロには敵わないが多少は自信あるんだぜ? で、暇さえあれば施術してるんだ。
(気付けばうつ伏せになった皇に向けて言葉を発する。首周りを大きな手で揉み解すが、不快感は無い。(あ、やっぱりこの筋肉が)っと話の折りに都築は話ながら言葉を続けた。側から見れば異様な光景だったが都築の気持ちは本心らしく施術に適当な感覚はなかった)
ん? そういえば、昴は、何で屋上に居たんだ? 俺はよく来るんだけどよ。