だんぼーるはうすから、相変わらず突貫工事の気配がする扉が一つ。
扉を開ければ、よりもう少し広くなったとはいえ、やはり置かれている殆どがダンボールで作られた、この小屋へと繋がっている。
外からも直接入れるようになっているように、外への扉も付いている。
『防水ダンボールでも劣化する』と気がついた結果、前回よりも少し強固に、以前のを多少ながらも大きく建て替えをした模様。
ダンボールの机の上に置かれた、銀ワイヤー細工で作られた籠の中には『この飴でも、吹くと音がなるらしい』というネタ情報に騙されて購入したパイン飴が大量に積まれている。
同じくダンボールで作られたテーブルの上に載っているのは『午前の紅茶』から始まるお茶とミネラルウォーター、それを注ぐ紙コップの類。
飲み物食べ物等は、購入して自由に持込みが出来そうだ。
※大変申し訳御座いませんが、以前問題を起こされた方の入場は固くお断りしております。
※こちらは、いらっしゃって下さった色んな方のちょっとした御厚意だけで成り立たせて頂いている場所となっております。
どうか、何卒ご理解の程を頂けますよう宜しくお願い致します。
(屈んでいた為見上げるような形になりながらも、微笑みをもって出てきた言葉だからこそ静かに頷き)
そう。
…僕は常日頃から頑張れとは言わないことにしてる。
それでも予感として、君は占いを含む何かをやるだろうし、進める為に進むだろう。
ならばせめて、得ることが出来た縁を大切にすることを、しようと思う、から…その。
(少し自分に困ったように笑み)
こういう形で…僕なりに、させてね。
空気を多分に含んで、所謂嵩張った状態の物には大抵有効だと思うよ。
今は、これよりはもう少し小型なんだけど掃除機を使わずに自分の手でぎゅうぎゅう圧縮するタイプもあるね。
これ、手動圧縮型も含めて口に弁がついてて、吸ったり圧したりを止めると自動的に内側の口が閉まって密閉してくれるの。便利だしお勧めしておこうかな。…回し者じゃないけれども。
喜んでもらえてよかった。役に立てば何よりだよ。風邪ひかないようにね。
(聞こえたよく聞けば薄ら寒くなりそうな発言には袖筒を合わせて少し遠い目をしたものの、役に立ったことには満足そうに一度頷き)
半纏は最悪君が重ね着したり、丸めて枕やクッションにする手もあるから。
毛布丹前、座る時は足先をくるんでしまってもいいよ。手も袖を合わせて筒状にすると外気に触れなくて温かいと思う。
(圧縮袋を綺麗に畳んだ物を包み直した風呂敷を抱えるとゆっくり元の様に立ち上がって)
…よし、お届け物終了。
今日はこれが届けたかっただけなので失礼するよ。
占いだけに限らず、また会うべき時が来ればきっと会う。し、会いに来る。
くれぐれも体に気を付けてね、維都月。お客さんたちも。
お邪魔しました。よいお年を。
(浅めの礼をひとつして。そっとだんぼーるはうすを出ると再び赤い蛇の目風傘を差して帰って行き)