だんぼーるはうすから、相変わらず突貫工事の気配がする扉が一つ。
扉を開ければ、よりもう少し広くなったとはいえ、やはり置かれている殆どがダンボールで作られた、この小屋へと繋がっている。
外からも直接入れるようになっているように、外への扉も付いている。
『防水ダンボールでも劣化する』と気がついた結果、前回よりも少し強固に、以前のを多少ながらも大きく建て替えをした模様。
ダンボールの机の上に置かれた、銀ワイヤー細工で作られた籠の中には『この飴でも、吹くと音がなるらしい』というネタ情報に騙されて購入したパイン飴が大量に積まれている。
同じくダンボールで作られたテーブルの上に載っているのは『午前の紅茶』から始まるお茶とミネラルウォーター、それを注ぐ紙コップの類。
飲み物食べ物等は、購入して自由に持込みが出来そうだ。
※大変申し訳御座いませんが、以前問題を起こされた方の入場は固くお断りしております。
※こちらは、いらっしゃって下さった色んな方のちょっとした御厚意だけで成り立たせて頂いている場所となっております。
どうか、何卒ご理解の程を頂けますよう宜しくお願い致します。
>弥逢先輩
……そうでもないです。特に今なんて、皆さんとても優しいから来てくださるんです。
先輩はこう言うと怒ると思うんですけど──私の力と言うにはあまりに畏れ多くて、それに……自分の、と言うには…やはり、あまりに身に余ります。
(微笑みながら、弥逢先輩を前に少し勇気を必要としつつも、思った事をはっきりと。
広げられた毛布丹前と綿入れ半纏に目を見開いて)
あ、あんな薄くてペタンとしてたのに……!
(人生で初めて見た圧縮収納袋を凝視しながら)
し、しかも先輩手作りですかっ! 凄いっ、あの真っ平らな布生地からこんな立体的な……!(家庭科もかなり危険な期末試験)
(お預かりした毛布丹前にどきどきしながら試しに袖を通し)
あったかい……これで、雪の日も冬の夜も生きていける!!
有難うございます、先輩!これで雪の日の心配から『死線間際の気温』がなくなりましたっ!!(優先順位が違う気がしなくもない)
半纏も、寒い方をお待たせせずに済みそうですねっ。
それでは、これはこちらに置かせて頂きますねっ。確かにお預かりしましたので、寒い方は是非どうぞ~っ。
──先輩! ありがとうございますっ!
(物凄く嬉しそうにお辞儀して)
>ロベルト先輩
た、多分これ以上大きくしちゃうと、流石に隣家の人の日照権に触れてしまって、お巡りさんに強制退去をくらってしまうから、多分この大きさがいっぱいいっぱいですっ(汗・学校から帰れば、立場は限りなくホームレスに近い)
ロベルト先輩、数学が…答えが全く分からなくて、殆ど白紙提出…です……(泣)
他にもいくつかの教科がピンポイントで──今度、勉強教えてください……っ!(縋りつかん勢いで頭を下げて)
でも、パイン飴ってこんなに美味しいんですね。騙さずにそのまま1個くれれば普通に余らせない程度に……(むくれながら自分も個別放送された飴の袋から一つを口の中に)
はいっ、では順番は日暮くんと、碧川さんで、次にロベルト先輩ですねっ。了解しましたっ!!(一つ大きく頷いて)