だんぼーるはうすから、相変わらず突貫工事の気配がする扉が一つ。
扉を開ければ、よりもう少し広くなったとはいえ、やはり置かれている殆どがダンボールで作られた、この小屋へと繋がっている。
外からも直接入れるようになっているように、外への扉も付いている。
『防水ダンボールでも劣化する』と気がついた結果、前回よりも少し強固に、以前のを多少ながらも大きく建て替えをした模様。
ダンボールの机の上に置かれた、銀ワイヤー細工で作られた籠の中には『この飴でも、吹くと音がなるらしい』というネタ情報に騙されて購入したパイン飴が大量に積まれている。
同じくダンボールで作られたテーブルの上に載っているのは『午前の紅茶』から始まるお茶とミネラルウォーター、それを注ぐ紙コップの類。
飲み物食べ物等は、購入して自由に持込みが出来そうだ。
※大変申し訳御座いませんが、以前問題を起こされた方の入場は固くお断りしております。
※こちらは、いらっしゃって下さった色んな方のちょっとした御厚意だけで成り立たせて頂いている場所となっております。
どうか、何卒ご理解の程を頂けますよう宜しくお願い致します。
お家が……
(維都月さんの自己紹介に、自分も名乗ってなかった事を思い出し)
あ、えっと……私は、碧川 雪月(みどりかわ ゆづき)です。
同じ寝子高の、1年3組……だから、隣のクラス、だね。
こちらこそ、よろしくお願いします(同じように頭を下げ)
ダンボールで、こんな場所が作れるなんて思ってなかった……。
慣れも、あるかもしれないけど……維都月さん、本当に凄い……。
じゃあ、お言葉に甘えて……ゆっくりさせてもらう、ね。
きっと本当に当たるから、来る人が増えるんだね……(空いてる席に座りつつ)
飴、ありがとう……。
笛ラムネに形はそっくりなのに、こっちは鳴らないって、真面目に考えてみると、不思議……。
(そんな事を考えながら、飴を口へ入れる)
ロベルト先輩も……こんにちは。
私は、たまたま近くを通りかかって……それで、ここが気になって、覗いてみたんです。
意外……ですか?
占いの順番は、じゃあ、ロベルト先輩の前にしてもらって……維都月さん、それでいい……?
(飛吹さんの姿に気付くと、そっと席を一人分空けながら)
もしよければ、ここ、座る……?
問題を解決するための、糸口……
(ほんの少しだけ目を伏せて思考する)
……うん、問題という程じゃないけど……
占ってもらう事、何となく決まった、かな……。
ありがとう……。