灯 斗南はいたって無趣味な男だ。音楽にもオシャレにも部活動にも勉強にも興味がない。そんな彼だが毎週必ず欠かさず見ているのが特撮ヒーローもの、「マスカレイダー」シリーズである。元々は昭和に作られたマスカレイダーを平成になって復活させるとそのシリアスな展開と主人公ダイゴ役の俳優の熱演から人気沸騰、以降シリーズ化されている。
「そろそろ来ることだと思っていたぞ、マルスの演神者」地上に降り立った影はまさに鳥人と呼ぶのがふさわしい姿をしていた。「俺はグルル・ヤクシャ。またの名をガルーダ」
「ガルーダ?ゲームとかでよく聞く名前だな、まあいい。やっぱりてめえも仮面の力で暴れて楽しんでやがったんだろう?」
「違うな、元々狙いはマルス、貴様を”舞台”に上がらせるために人間を襲っていただけ。貴様さえ現れなければ続ける理由は無い」
「そうかい!だったら望み通り相手をしてやるぜ。だが間違えるんじゃねえ」懐からマルスの仮面を取り出し装着、「演神!!」『アクト・マルス!』閃光がほとばしり星児の姿が変わる!
「俺は…マスカレイダー・マルスだ!」