灯 斗南はいたって無趣味な男だ。音楽にもオシャレにも部活動にも勉強にも興味がない。そんな彼だが毎週必ず欠かさず見ているのが特撮ヒーローもの、「マスカレイダー」シリーズである。元々は昭和に作られたマスカレイダーを平成になって復活させるとそのシリアスな展開と主人公ダイゴ役の俳優の熱演から人気沸騰、以降シリーズ化されている。
その頃、星児は忠光達とこれからどうするかについて話し合っていた。
「なあ、あいつらの秘密基地とかそんなのは無いのか?そこに行って俺がまとめて…」
「残念ながら心当たりはない。玲が調べてくれているのだが…」
「そっか、そりゃ残念だ。マスカレイダーの力を見せてやろうと思ってたのに」
「…前の君の戦いは見事だった。確かにあれは誰もが憧れるヒーローの姿だったと思うよ」
「へへっ、そう言われると照れるな」
「だが、過信し過ぎない方がいい。敵の中には千年以上も信仰された本物の”神”もいるのだから」
「…何が出てこようがマスカレイダーは無敵なんだよ」