黒い絵の具で塗りつぶしたかのような空には、数え切れないほどの星々がきらめいている。
そこにぽっかりと浮かぶ月は、静かに揺れる暗い海を、優しく照らす――そんな、とある夜の砂浜。
※雑談トピックです。ご自由にお話しください。
※時間帯は夜~夜明けあたりまで?
なるほど、僕にとっては約束の地カナンでも、君にとっての星ヶ丘は不毛の地……バレンらしい。
欺瞞と偽善が築き上げた虚構の街か……僕の目に映る星ヶ丘は瀟洒な白亜の家々と潮の香り、オリーブの若々しい緑とオレンジの果樹園。懐かしい地中海を思わせて恵みを育む土地だ
孤独な老人が晩年を過ごすには素晴らしい環境だね
哲学問答は嫌いじゃないよ、吟遊詩人君のお手並み拝見といこうか
死者は生者の中でこそ生きるか……ロマンチックだね。たとえそれが妄想でも、人の魂を救済する美しい虚構なら信じる価値はあるさ。虚構だって馬鹿にできない、時にそれは人生の真実を語る……
老い先短いが待つ時間はたっぷりある。残りの時間で僕にできる事をさがすのもまた一興だ。
前途有望な弟子にも巡り逢えたことだしね……彼を一人前に育て上げるだけの余裕は残されていると思いたい
木原でもご隠居でも呼びたいように。従夢君か。夢に従う……良い名前だ。親御さんどちらがつけたのかな
……さあ、どうかな。壊れたピアノでも思い入れがあれば固執するだろう。壊れたなら新しく作ればいいというのは、大事な人を亡くした人間にまた生み直せばいいと言うのと一緒だ。新しく作りだした所で、それはけっして代わりにはなり得ない。それぞれが代替不可能な唯一無二の存在……
ピアノ職人といっても既に引退してる。今はただの隠居さ。こうして散歩する位しか楽しみがない
ほう、バーに住んでらっしゃる。ピアノが……一度うかがいたいものだ。一応今でも調律や修理は受け付けているよ。何かあれば僕の店を訪ねてくれたまえ(鹿黒さんに名刺を渡そうとし)
最高の伴侶か……そう呼べる人間に会えるのは素晴らしい幸福だ。
僕にもかつてそんな女性がいた……(遠い目を海の彼方に馳せて)
そうか、娘さんが。それは結構な事だ。彼女は君に最高の贈り物を遺してくれたね
僕には子供がいないから羨ましいよ