黒い絵の具で塗りつぶしたかのような空には、数え切れないほどの星々がきらめいている。
そこにぽっかりと浮かぶ月は、静かに揺れる暗い海を、優しく照らす――そんな、とある夜の砂浜。
※雑談トピックです。ご自由にお話しください。
※時間帯は夜~夜明けあたりまで?
木原の旦那はピアノ職人だったンですかい。あんなでけェもん作れるなんて凄いもんだ。
俺にゃあ縁の無ェ代物だなァ。……知ってるピアノっつったら、家の下のバーにある年代物のピアノくれェでして。
そうか、手元にも無ェのか……、何処かで巡り会えるといいンですが。
隠居か、もうそんな歳になっちまったかァ……。
なくすのが怖ェのに大事なモンなんて出来るもんかい、寂んぼ坊やめ。
……まァ坊やくれェの年頃は、そういう強がり言いたがるもんだ。ふふ。(温かい目線を向けて目を細める)
(二人を交互に見やってから、ちょいと肩を竦める)
いくら下戸でもなァ、月の光じゃ酔えやしねェ。坊やくれェ酔えりゃあ気もまァ、楽だろうが。
……俺の連れ合いは、俺にとって最高の伴侶だった。声も仕草も表情も、地球が何回回ったって忘れるもンか。
それに俺にゃあ娘も居る。幸せなもんだ。
(胸のロケットに手を当て、寸の間目を閉じる)
確かに木原の旦那は落ち着いた方だな。……坊やてめェ、俺に落ち着きがねェってか。あァ?
(ふて腐れて口をへの字にしつつ)