「こっくりさん」
誰もがそれを聞いた事があるだろう。
中には、実行してみた・それに混ぜられた人もいるかもしれない。
寝子島高校のフツウの生徒・恵御納夏朝もその1人。
ある怪談話の時、語り手に合わせ相槌を打つようにこう言った。
『僕も、中学校でやったことあるよ。流行ってたもん』
ならば、やってみた時の状況はどうだったのか。
とじられた項をめくり…一部分を明かしてみよう。
A-3
その後、夏朝の体調も考慮して
速やかに「こっくりさん」を帰す方法が行われた。
幸いにも、その時の「こっくりさん」は素直に帰ってくれたようだった。
…「こっくりさん」が帰った少し後に先生に見つかり
全員でこっぴどく叱られる羽目にはなったが。
長説教を聞かされ終えた後
下校した彼女達の結論は、概ね一致していた。
「…さすがに2度とやらないわー」
また異変が起こると困るしね、と皆で笑う。
一度崩した体調も、帰りまでには落ち着いていて。
夏朝は、笑いの輪の中に混ざって、自宅への帰路についたのだった―。