天井まである本棚がぎっしりと空間を仕切り、多種多様な古本たちが所狭しと並んでいる。
静かな店内は、本独特の懐かしい匂いとほんのり甘く酸っぱい果実の香りが入り交じる。
「あら、いらっしゃい。ゆっくりご覧になってくださいまし。」
女店主は長い黒髪を揺らして振り返ると、ゆるやかに笑みを浮かべた。
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雑談用トピックです。
古書店内での交流や、本を読むなどのロールプレイにご利用ください。
コミュニティの利用
http://rakkami.com/manual/community-usage
>弦一郎
萌え系は守備範囲が広いよね。絵が可愛ければ内容はなんでもいいのかもしれない。
はい、正解。「臭素」で合ってるよ。仕事で実物を扱った事があるけど、名前通りの効きそうな臭いだった。あとは、今はすっかり廃れちゃったけど写真の感光剤に臭化銀(シルバーブロマイド)が使われてるね。写真を「ブロマイド」って呼ぶのはこれが語源。
じゃあもう一問くらい行ってみるか。
現在使われている元素周期表の提唱者にちなんで名付けられたアクチノイドに属する元素と言えば、な~んだ?
ハハハ、頼りにしてるみたいだね。使えるモンなら使っておけ。
親戚、ねえ。会ったのは最近だけど、ま、そういうとこもあるかな。
>従夢
ハハハ、大人らしいアドバイスしてほしかった?
だって、ねえ。あたしは好きな事やってきて今に至るわけだから、わざわざ嫌いな事やる理由なんて知らないんだよ。
マタ大? いいんじゃないの? 学部はどこが一番チョロそう?
そんなに心苦しいならバイトすればいいし、そこまでする気がないなら開き直ってスネかじってればいい。
薬に興味を持ったのは、さっき弦一郎にも話したけど『仙薬収集録』って本がきっかけ。
実在の漢方薬も伝説の仙薬も同列に紹介してる変テコな本なんだけどね。
ドクダミだのミカンの皮だのその辺にあるような物質と、丹砂だの采華樹だのいうレア物質が並んでるのを見て、こんなに奥深い世界があるのか、と思ったのを今でも憶えてるよ。
そのためには理系の勉強だけじゃない。各国語も勉強したし歴史や地理の知識も身につけた。
逃げたのはピアノ教室くらいかな。あまりにも興味がなさすぎたから。
『ドグラ・マグラ』読んだなら『黒死館殺人事件』と『虚無への供物』も押さえとけ。いわゆる日本三大奇書だね。
からかわれてない? 何言ってんだ。さっきから普通じゃない薬の話したり縁無さそうな中二病の本奨めたり、アプローチはしてるよ? あんたがいちいち真面目に対応してるだけ。
まあ、それもあんた流に言えば「美点」かもね。