天井まである本棚がぎっしりと空間を仕切り、多種多様な古本たちが所狭しと並んでいる。
静かな店内は、本独特の懐かしい匂いとほんのり甘く酸っぱい果実の香りが入り交じる。
「あら、いらっしゃい。ゆっくりご覧になってくださいまし。」
女店主は長い黒髪を揺らして振り返ると、ゆるやかに笑みを浮かべた。
――
雑談用トピックです。
古書店内での交流や、本を読むなどのロールプレイにご利用ください。
コミュニティの利用
http://rakkami.com/manual/community-usage
(天神平さんのアドバイスにを聞いて、顎に手を当て考える)
ふむ。やりたくない事はやらなければいい、ですか。まさかそんな言葉を返されると思ってもみませんでした。大人の人ならもっとそれらしい事を言うんじゃないかなって思ってましたから……いえ、失望はしていません、むしろ、驚嘆です。
進路ですか……(むぅと、難しい顔をして)
そうですね。全く……。(自嘲気味な苦笑いを浮かべ、片手を上げる)
モラトリアムですか……自分で言うのもなんですが、それなりの大学に進学できる自信はあります。木天蓼大学なら確実だと思います。まあ、逃げ切るにしても、大学の費用は僕が稼いでいる訳ではないので、少々心苦しくはありますが…
(と上を向いて苦々しい顔を見せる。と、ちらりと振り向いて)
ずっと、と言うのは、いつごろからだったのです?
天神平さんのような方は、逃げたりなんてしないのでしょうね……
(都築さんを腕を組みながら見上げて)
ご理解いただけて満足です。僕が汗を流す所なんて、都築先輩が編み物をするようなものですよ。あ、もしかして、手芸されます……?
僕は親切では無いですよ。分かってもらえるまで教えないと、先輩が帰ってくれないからでしょう。相場って……僕はどんな評価なんですか……。僕にだって解読できない本はありますよ。フィネガンス・ウェイクとかドグラ・マグラは何とか読めた……ヴォイニッチ手稿に至っては手に取る事すら出来ないんだから……
しかし先輩が甘えているだなんて、努力家が何をおっしゃいますか。甘えているならそもそも自分が読めない本なんかとっくに匙を投げています。後輩に恥を忍んで教えを乞うなんて、謙虚な姿勢。都築先輩の才能であり美点です。ご本人は気付かれていないようですが。全く、だから僕も無下には出来ないのですよ……
(さま困ったように顔を逸らして)
(「先輩だからそういうもの」だと言う都築さんに、聞いた方が馬鹿だったと溜息をついて)
……そうですね。後輩と云う理由だけで熱心に関わってくる都築先輩ですものね。理由も他意もないか。
親戚の……ねーちゃん……(ちらりと天神平さんを見て)
ふむ、からかわれると云う事は、やはり、親密なのかな……
僕はからかわれませんからね