天井まである本棚がぎっしりと空間を仕切り、多種多様な古本たちが所狭しと並んでいる。
静かな店内は、本独特の懐かしい匂いとほんのり甘く酸っぱい果実の香りが入り交じる。
「あら、いらっしゃい。ゆっくりご覧になってくださいまし。」
女店主は長い黒髪を揺らして振り返ると、ゆるやかに笑みを浮かべた。
――
雑談用トピックです。
古書店内での交流や、本を読むなどのロールプレイにご利用ください。
コミュニティの利用
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>弦一郎
ああ、医療系志望って言ってたっけね。なかなか詳しいじゃない。
ならもう少し専門的な本の方がいいか。
『薬禍の歴史』は錬金術の時代から現代の公害まで、薬物の引き起こした薬禍事件がみっちり載ってる。症例の記述も図版もエグくてオススメ。
『仙薬収集録』は中国の伝説に登場する不思議な薬が紹介されている。この本で薬に興味を持った思い出の本だね。すべての薬草を食べて効果を自分の体で調べた神農っていう神様が特に気に入っちゃった。
どっちも今は絶版だから、古本屋じゃないと手に入らないよ。
大先輩って。あたしまだハタチなんだけどな。
ラグビー部のマネージャー、面白い趣味してるじゃない。
>(従夢)
ハハハ、そっちの意味で良かったのか。それは失礼。
弦一郎に本貸したりなんてするんだ。けっこう仲良いのね。
あんたも医療系志望なの?
医薬系の情報は更新されるのが早いから、古本屋で買う時は気をつけて。
人体の構造は変わらなくても、アプローチの方法は日々進化してるんだよ。
さっき弦一郎に紹介した本は、昔の事がテーマだから特に問題はないんだけど。
痛覚をテーマにした『「体が痛い!」の本』はベストセラーになったね。
便乗本で『「中二病がイタイ!」の本』なんても出た。