店内は紫色の間接照明でぼんやりと照らされており、空調が効いてひんやり涼しい。
正面には様々な菓子類が陳列されたショーケースが、
右手には客席用の数組のテーブルセットが、
左手には地下へ降りるための階段がある。
来客を告げるドアベルが鳴ると、ショーケースの奥でくつろいでいた人影がゆっくりと身を起こす。
「あれ……? 何かご用かな?」
うーん……夏ももうすぐ終わりかー。
あんまりマイペース経営だと、じ……ししょーに怒られちゃうかな……。
まあ、暇なうちはまったりしててもいいよねー。
(傍らに積まれた漫画本を手に取り、読み始める)