夜歩く人たちのある日の記録。どんな事が起きたのやら。
あは、ごめんなさい。
人への理解を深めようとする内に
いつの間にか精神分析の真似事を
するような癖がついてしまっていて。
決して貴方を不快にさせようと思っているわけではないのよ。
(頬に手を当て申し訳なさそうに苦笑する)
ああ。それ、私にも覚えがあるわ。
貴方、「大切な人の心を支配したい。
自分の事だけで一杯にしたい。」
そんな風に思ったことはある?
…そう。それならいいの。
私の方こそ、不要な心配をしてしまったみたいね。
(感情的に言い切る従夢さんを見て穏やかに微笑む)
ありがとう。
それなら少し失礼して…。
(従夢さんの頬が赤らんでいることに
あえて気づかぬ振りをして少し距離を詰め
従夢さんの手に自身の手をそっと重ねる)
私が優しい?
おかしなことを言うのね。
私は優しくなんてないわ。
さっきも言ったように、私は私の我儘を通そうとしているだけ。
私の我儘を聞いてくれている貴方の方が優しいわ。
(罪を犯した事があるかと問われ、悲しげに微笑み)
…あるわ。
罪の内容については、ちょっと此処では言えないけどね。