【住所】シーサイドタウン駅より徒歩15分
唐沢一也が借りているアパート。
2K。築30年。決して広くも新しくもないが、家賃もそこそこ。
夜乃理沙が居候しているが、近所の人には説明済み。
一部屋はリビング兼理沙の寝床、もう一部屋は一也の自室兼物置き場。
そうしろそうしろ。好きにしろ。
(茶化され、しかめ面になり)
おま、うるせーよ。そんな関係じゃねーし、それこそ俺の勝手だ!
昔だって言うほど女関係激しくねーよ。フツーの範囲内だっつーの…。
…ったく…俺は作業に戻るからな。
…あっそ。
人の寝言盗み聞きなんて趣味わるーい。
じゃ、そうする。僕の好きにさせてもらうね。
(ふと一也のギターケースについているのドラゴンのキーホルダー指さし、茶化すように笑いながら)
…それと、最近出かけたりさ、なんだか仲いい人いるよね?
昔々、女遊びが激しかった一也くん、泣かせちゃだめだヨ。
(その人のことはよく知らないし、女の勘みたいなもんだけど、アヤシイんだよねぇ)
お、そりゃ悪かった。ありがとさん。
…アレから1年もたっちまったのな。はえーもんだぜ。
何度も言うがありゃ俺の気まぐれだったから気にすんな。
(理沙の提案に呆れて頭を下げ)
…はぁー…。
「大丈夫」とか言ってさ、両親の写真、枕元に置いて寝言で泣いてたのはどこのどいつだっつーの。
傷とかビービー見られんのが嫌だから、院じゃなくてここに居るんじゃなかったか?
お前が出てきてぇっつーなら、いつでも出てっていいが、変な遠慮今更されても意味ねーから。
お前が半分家事やってくれれば俺だって家事半分で済むしさ。それでいいじゃん。
ちょっとぉ、ついで呼ばわりとか最悪なんですけどー。その通りだけど。
でもさぁ、せめて袋の中身確認してから言ってくれる?
他にもノートとペンとか他の物入ってるから。
とりま、おめでとう。
それと…(言いづらそうにボソボソと声を抑え)
改めてっていうか、今更だけどさ…ちょうど1年前さ…その…色々と、あり…がと。
http://rakkami.com/scenario/reaction/244?p=5
あの、区切りっていうか、区切りだし、迷惑だったらいつでも言って。
院に行こうと思えばいつでも行けるしさ…僕はもう大丈夫だからさ。
あ゛?
んだよ、今新作のジャケ案を作ってたんだよ。
(扉を開けると、無言の理沙からビニール袋を押し付けられた)
…あー、もしかしてアレか、オレの誕生日か。
(理沙の両親用であろうクッキーに目をやり)ついでって感じだな。
別にいいけど、さんきゅ。
んーと明日父さんと母さんに持っていくクッキーはこれでよしっと。
花は明日学校終わって墓参り前に買っていけばいいか。
それと…。
(一也の部屋の扉をたたき)
ねぇちょっと、生きてるー?
仮にもお前女だろ…、本当に気をつけろよな。
あぁ、俺もまぁ、面倒事には関わらないようにしとく…。
オイオイ、俺の仕事取ってくなよな…お前中坊のくせにナマイキなんだよ。(舌打ち混じりに)
うぃっす、了解した。行ってこい。
……。(理沙が出たのを見送り)
寝るか…あーいや、レポート片すかぁ…。
(危ない事とか、チョー今更なんですけど…まぁ今更心配かけてもしょうがないか)
ふーん、一也ももれいびかぁ。
ドンマイ。
一也も変な事件には気をつけなよね。
僕は喧嘩ごとなら自分の身ぐらい自分で守れるから。
…あっ、そろそろ雑誌の仕事の時間かな。
洗濯も終わってるし、行ってくるね。
…時間があったら洗濯物の取り込みだけどうにかしといて。
二度寝してバイト遅れちゃダメだよ。
(丸くなってしまったフォークに目を丸くする)
…おいおい冗談だろ…。
俺も自分の能力はわかんねぇが、どうやらもれいびらしくてな、
この間猫やらカラスに巻き込まれて妙なところに飛ばされたばっかなんだよ。
…神魂がらみの事件にゃ物騒なことが多いみてーなんだ。
俺の後輩も時々危ない目に合っちまってるし。
お前もくれぐれもあぶねーことに巻き込まれねーようにしてくれよ。
別にいいでしょ、味がないよりはずっと。
この手のものは甘くてナンボなんだから。
それに、美味しいほうが食べやすいでしょ?
あー…神魂ね、知ってる。
やっぱこの島では有名な話になってきちゃってるんだね…。
あいにく、僕ももれいびで、この通り、ろっこんが使える。
(自分のホットケーキにジャムをたっぷりつけて食べ、 持っているフォークをに捻じ曲げてボール状に)
あーわりぃな、サンキュ…ってジャムかかりすぎじゃね!?
そーいやさ、「シンコン」だの「ロッコン」だの、なんかそんなような噂聞いてねぇ?
もう僕が作っちゃったよ…。おなかすいてたし。
って事で、顔洗ったらホットケーキ食べて。
わかったわかった。起きるっつーの。
午前からったって、11時からなんだがな…。気がはえーんじゃねぇの。
朝飯…今朝は俺が用意する番だっけ…。
(もそりと起き上がり)
どーせ、慌てて起きた所で髪型とか気になっちゃうんでしょ?
…それでそっちに時間取られるから、朝ごはんは抜くと。
時間に余裕は持っておいたほうがいいよ。
朝ごはんも食べないと駄目。それこそ体力持たないよ。
あんた痩せ過ぎなんだからさ。骨折れるよ。
ほら、起きて!(掛け布団を剥ぎ取り)
(もそりとわずかに動き、ダルそうに声だけ発する)
…昨日はライブ行ってたんだよ…帰ってきたのが1時半で寝たのが2時…。
もうちょっと寝かせろよ…間に合えばいいんだろ…わかってるって。
(7時頃起床。髪型をきっちり整えてテレビを見ていたが、時計を見て一也の部屋の戸を開ける)
一也。朝なんだけど。
今日確か午前からバイトだったでしょ。起きて。
起 き て 。(語気を強め)