様々な香りで満ちた部屋。
前の住人が残していった壁一面の棚には、大量の製油の瓶や製作中の香り枕が所狭しと置かれている。
大きな木の作業台には香り枕の材料があり、それの隣にはラベンダーの香るベッド。
ベッドの上や周囲には夢羊が群を成し、造花の花畑で眠っている。
部屋の外にも不思議と調和し合った芳香が漂っており、扉には貼り紙が一枚。
『貴方の悪夢、請け負います。』
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RPを楽しむトピックです。
九龍のルールから逸脱しない限りはどなたでもご自由に&お気軽にどうぞ。
【斉田さんの答えに楽しげに頷き】
あら、お隣様……には少し遠いですけれど、そうでございましたの。そうですわね……。
【部屋をくるりと見渡した後、作業台に乗った橙色の羊を手にして戻り、それを差し出す。柑橘と草葉の力強い香りがする】
先日此処に越してきた柳子=サマンサ=テイパーですわ、調香師をしておりますの。お好きなように呼んで下さいまし。
ふふ、貴女の期待を裏切らないようにしなければなりませんわね、可愛い仮面のレディ。
今後ともよろしくお願いしますわね?
父の形見ですのよ、この煙管。元はあたくしの祖父のものだったようですけれど。
あら嫌ですわ、そんな下品な物に手を出す訳ございませんわ。この部屋を借りてからも何回かそれを欲しがる方が居られましたけれど……、あたくしが提供するのは心地の良い夢。気狂いの幻想では御座いませんことよ?
【肩を竦め呆れたように首を横に振り】
【そっぽを向かれ、残念そうに自らの頬を撫でる】
あらまあ、そんな過去をお持ちでしたの……。黒い世界で網を張る狩人の刺激的な香り、それでもふらりふらりと近付きたくなる暗く甘い香りが隠し味……?
いいえ、口から出任せですわ。そんな香りがあるような気がしただけですの。
【ジニーさんの話を静かに聴いた後、吐息を一つ零してうっとりとする】
その女性、想われておられるのね……ふふ、妬いてしまいそうですわね。でもこれは貴方にとってはただの悪夢、ええ、かしこまりましたわ。
夢はどれほどリアルでも所詮夢ですわ。それなのに此方に凭れ掛かる重い夢も御座います。重い物を持ったままずっとは居るのは疲れるでしょう?
ですからあたくし、その荷を請け負っておりますのよ。ええそうでございます、『ありがとう、良い夢を』。
【仄かに甘い芳香を纏った、儚く可憐に揺れる白百合の造花が現れる】
……ふふ、問題御座いませんわ。あたくし、夢の息の根を止めますのよ。この夢を覚えているのはあたくしとこの花だけ。
夢はいつか薄れ逝くもの、あたくしの魔法はそれを早めるものですわ。さあ、如何だったかしら?
【白百合の造花の香りを楽しみながら妖艶に微笑み】