様々な香りで満ちた部屋。
前の住人が残していった壁一面の棚には、大量の製油の瓶や製作中の香り枕が所狭しと置かれている。
大きな木の作業台には香り枕の材料があり、それの隣にはラベンダーの香るベッド。
ベッドの上や周囲には夢羊が群を成し、造花の花畑で眠っている。
部屋の外にも不思議と調和し合った芳香が漂っており、扉には貼り紙が一枚。
『貴方の悪夢、請け負います。』
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RPを楽しむトピックです。
九龍のルールから逸脱しない限りはどなたでもご自由に&お気軽にどうぞ。
いまどき煙管か。酔狂だな。
懐古趣味というか時代錯誤というか……まさか大麻や阿片じゃねーだろな?
(柳子さんのしなやかな指が絡新婦の如く胸板を這うのに、静電気が流れたように仰け反り)
っ!
やめろよ、気色悪ィ。べたべたされんのは好きじゃねえんだ(動揺を取り繕うようにそっぽをむく)
……この胸に巣食う蜘蛛が珍しいかよ?昔身を寄せた組織の名残り、裏社会の烙印だ。
こいつが匂うってなあァ……つまりきな臭えって事か?
なるほど、オープンしたてか。それじゃ知らなくても無理はねえ
なあに、大した事じゃねえ。人脈とネットだな
うまいネタは人口に膾炙して拡散される、それをうまいこと煽って釣って誘導してやりゃいっちょあがりだ
名前をつけることで命が宿る、ね
……その理屈でいくと俺が女々しいのは姉貴の名前をつけられたからかな(周囲に聞こえない程度の小声でうっそりと自嘲し)
ああ、なるほど、本音と建前か。対外的なセールストークと腹ン中で思ってる事は違う……
怖気立つような綺麗ごとを並べ立てられるよりかそっちのがずっとアンタらしいぜ
聖母の皮を被った毒婦ってとこだな、さしずめ
……俺の夢、か。
本当に食ってくれんのか?(半信半疑のジト目で柳子さんを睨みつつ、新しい煙草に火をつけて咥える)
と言われても日替わりで悪夢を見るせいでどれにしようか迷っちまうが……
昨日見たのは、俺が蜘蛛の巣に絡まってもがいてる夢。
視線の先には知ってる女がいて……
そいつがこっちに手を伸べて助けを求める、必死な形相で泣き叫ぶんだが、咽喉を何重にも糸に戒められたせいでその声は届かない。
俺はそいつを助けようと手を伸ばすんだが、顔の前に持ってきたその手を見てぎょっとする。
真っ黒くて毛むくじゃら、醜く節くれだった蜘蛛の脚。
いつのまにか俺は巨大な蜘蛛になってる。
そんで気付くんだ、目の前の女は助けを求めてたんじゃなく俺に来るなと、こっちに寄るなと声を限りに叫んでたんだと。
他でもない、この俺に命乞いしてたんだと。
そして俺は頭からばりばりと女を食っちまうっていう最低に悪趣味な夢だ。
……こんなんでいいのかよ
さあ、どうにでもしてくれ(自暴自棄に言い捨て無防備に目を瞑る)