様々な芳香で溢れる不思議な雰囲気の店内。
あらゆる香りで満ちているが、不思議とそれらは調和し合っている。
貴方を待つ素敵な香りに出会えますように。
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雑談スペースです。
どうぞお気軽にご来店下さいませ。
入店退店ご自由にどうぞ。
喧嘩等、他のお客様のご迷惑となる行為をされるお方は事務所までご同行願うことが御座いますのでご了承下さいませ。
いや、子供は苦手だ。
独身なせいかな……行動を理屈にあてはめられないというか、扱い方がよくわからなくてね(曖昧に笑う)
気を悪くしたならすまない。貴女には偽る必要がないと思ったもので。
猫を被るのもこれで結構疲れるんだ
……見抜かれてると知った上で道化を演じるのも滑稽だしな
ああ、俺も持っている。能力の詳細は伏せるが……窃視に近いな。あまり褒められた能力じゃない。
この島では普通の定義に該当しないフツウが罷り通っている。
非常識も不合理も自然体で受け入れる……順応性が高いとも言えるが、価値観の齟齬も感じる
流されるままに日々を処して生きてる俺が言えたクチでもないが
……身を以て体験したからろっこんや神魂については受け入れざる得ないが、霊魂の存在については懐疑的だ。
自分が視た事ないものを安易に信じる気にはなれない。同様の理由で天国も地獄も信じない。
人間の意識は身体機能の停止と同時に消滅する、後には蛋白質の塊だけが残る……それが真実じゃないか(思案げに目を伏せてひとりごちる)
……大切?(眉を寄せ鸚鵡返しに問い返す)
ある意味ではそうかもしれない。大学時代からの友人だ。
時任彼方というピアニストで……春先に原因不明の自殺を遂げた
……なるほど、了解した。一時的な気休めで十分だ、未来の担保など最初から望まない
夢の中、俺は白い空間にいる。
目の前には黒檀のような棺が鎮座している
よく見ればそれはピアノ形の棺で、中に古代の屈葬に似た姿勢で……子宮の中の胎児にも見える姿勢で時任が納まっている
芳しく匂いたつ百合が敷き詰められた棺を覗きこみ、心から安堵する
こいつが死んでくれてよかったとしみじみ思う
俺の未必の故意がこいつの自殺に加担したと、その時に初めて気付く
それは明晰夢で、俺はこれが夢だとハッキリ自覚している。
手にした百合を手向けようと歩み寄ったら突然死体が起き上がり、首を絞められた。
抵抗の気力も反撃の遺志もない。
ただ時任の手が冷たいのは死んでいるからかとその事ばかり考えていた。
こいつになら殺されてもいいと思った
それがいい
それでいい
きっとそれが正しい
でも目を開けて……至近距離で目が合った
あの目が忘れられない
……あの目も、あの瞳に映った俺の顔も
……こんな感じでいいか?(感傷を削ぎ落とした口調で淡々と話し柳子さんを見る)