様々な芳香で溢れる不思議な雰囲気の店内。
あらゆる香りで満ちているが、不思議とそれらは調和し合っている。
貴方を待つ素敵な香りに出会えますように。
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雑談スペースです。
どうぞお気軽にご来店下さいませ。
入店退店ご自由にどうぞ。
喧嘩等、他のお客様のご迷惑となる行為をされるお方は事務所までご同行願うことが御座いますのでご了承下さいませ。
(博識と言われ恐縮したように眼鏡のブリッジに指を押し当て)
とんでもない、過大評価だ。
ただの本の受け売り、自慢するような事柄でもない……特に斬新な視点という訳でもないしな
貴女の言葉は異国の歌のようだな。
イランイランの香りに乗せて浮き沈み紡ぐ独特の韻律、酩酊を誘う抑揚……
長く共にいると悪酔いしてしまいそうだ。少しだけ友人のピアノに似ている
知らなかったのか。貴女の言う魔法とはろっこん……らっかみの力のお零れだな
やけに高飛車で偉そうな声が頭に直接響いてきた事はないか?それはテオという猫の仕業だ。
俺がろっこんに目覚めたのもちょうどそれ位、友人の死と前後して思わぬ授かりものをした。
非科学的な現象は元より信じないし、なんでもかんでもあいつの死と因縁づけたくはないが……
失くしたと同時に得た事実にいやでも皮肉を感じざるえない
良い獏か悪い獏か。
その二択は意味を成さない。貴女はそのどちらでもありどちらでもない、だから即答は避けた。
人は両義的な二面性をもつ生き物だ。
対象のどの部分に焦点を絞るかで受ける印象もまるで違ってくる……
貴女という人間に判断をくだすにはもっと深く知らなければな
椅子に座っていてもか。それは助かる
人がいなくなると気が緩んでな……机でうたた寝してしまう始末だ
(柳子さんの申し出にひとつ頷き)ではお願いしよう。色合いはシックなのがいい。青や茶系統、モノトーンで。
……その口吻、貴女は恋多き女性らしい。
その自由さに惹かれる男も、振り回されて生殺しの苦しみを味わう男もいるんだろうね。同情するよ。
一人と長続きした試しがない俺にこんな事を言う資格はないか(柳子さんの作業を眺めつつ苦笑する)