『MIBU』と書かれたシンプルな掛札のかかった扉がある。
5階、エレベーターから出て左手一番奥。
5階、東階段を上って目の前。
中に入ると、広い間取りの玄関と、その先に続く廊下。廊下の先にはこれまた広いリビングが。
花を生けた花瓶、絵画、各種インテリアが置かれたその部屋は綺麗に整えられており
埃ひとつない、とは比喩にもならないほど。
玄関前の廊下から分かれる客間、その部屋の一番奥にあたる寝室ですら、日々の掃除を怠ってはいない。
そう、『彼女』の性格からはとても想像がつかないほどに。
キッチンから香ばしい匂いがする。
その匂いの主は、彼女の作ったクッキー。もはや、彼女の日課となっているものだ。
来客があれば、気だるそうに玄関へと向かう。意外にも彼女は綺麗好きだったのだ。
「あぁ、いらっしゃい……ふあぁ…ねむ」
―――尤も、その身嗜みを除けば、だが。
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壬生 由貴奈の個人部屋トピックです。
原則、非入居者の方を含めどなたでも入室可能です。
彼女が何かしらのんびりやってますので、ご自由にお入りください。
優しいねぇ、ねむねむは。
連絡する術も無い以上、うちにできることはアイツが死んでないことを祈るだけ、ってね。
……この話、他言無用でよろしくね。辛気臭い話する奴って言われたくないし、自慢したい訳じゃないし。
本来、人前で話すようなことでもないんだけどねぇ……まったく、どうかしてる。
(髪をわしゃわしゃと掻き)
まぁねむねむの心遣いは嬉しいよ。ありがとうねぇ(にっこりと微笑み
でも、あいにくと一人が寂しいって思うことはなくなっちゃったかなぁ。
今は一人暮らしだし、本土に居た中学の頃も……。
いけない、また変な話するとこだった。
……あぁ、コーヒーありがとね。
(注いでもらったコーヒーを一口)