『MIBU』と書かれたシンプルな掛札のかかった扉がある。
5階、エレベーターから出て左手一番奥。
5階、東階段を上って目の前。
中に入ると、広い間取りの玄関と、その先に続く廊下。廊下の先にはこれまた広いリビングが。
花を生けた花瓶、絵画、各種インテリアが置かれたその部屋は綺麗に整えられており
埃ひとつない、とは比喩にもならないほど。
玄関前の廊下から分かれる客間、その部屋の一番奥にあたる寝室ですら、日々の掃除を怠ってはいない。
そう、『彼女』の性格からはとても想像がつかないほどに。
キッチンから香ばしい匂いがする。
その匂いの主は、彼女の作ったクッキー。もはや、彼女の日課となっているものだ。
来客があれば、気だるそうに玄関へと向かう。意外にも彼女は綺麗好きだったのだ。
「あぁ、いらっしゃい……ふあぁ…ねむ」
―――尤も、その身嗜みを除けば、だが。
--------------------------------------------------------
壬生 由貴奈の個人部屋トピックです。
原則、非入居者の方を含めどなたでも入室可能です。
彼女が何かしらのんびりやってますので、ご自由にお入りください。
(前屈して差し出された1枚を直接くわえにいく。
放されればそのままむぐむぐじわじわ口内へ取り込み、咀嚼。
カリカリを前にした猫みたいに目を細くしながら。とてもうまそうに食べる…)
まーね。ただ…働いてみて思ったけどさ。
世の中って紙に書けるヤツしか相手されないんよ結局。能力だのは全部その後。
でもユキナは行くトコ間違えなけりゃ両方なんとかなんじゃんテキトーに。
クッキーうめーしバニラかコレ(ぼそり)
だのに2年て…(呆れたように笑って)…なんか分からんけど。
ハタチなっちゃうぜ?あたしら。その時点で既にオモシレーけどねあるイミ。
なんなら「ネコ」に下校飲み来る?サービスすんよ(肩をすくめ)
(「ほい」と、こちらからも折り曲げた指に1枚挟んで相手も見ずに差し出す)
…もし居残んなら。ガクセーらしいヒマツブシでもありゃーいんだろーな。要は。
(空いた手で自分もぱくっともう1枚くわえ、かと思えば突然)…おお。
ヒマツブシで思い出したし。ちーとばっかし頼みてーコトあんだ(目を合わせて)