『入館無料』の貼り紙と、開け放たれた門。
アナタは気後れしながらも門をくぐった。
青々とした芝生と季節の花に彩られた庭を進み、薔薇のアーチをくぐったアナタの前に、背丈の倍はあろうかという巨大な扉が現れる。
ゴシック調の白い外壁に負けぬ存在感を放つ、黒い観音開きの扉の前に立つと、薔薇に囲まれた獅子のノッカーの横に『入館の方はこちらを鳴らして下さい』と書かれている。
意を決したアナタが2回ソレを鳴らすと、ゆっくりと扉が開き始めた。
出迎えてくれたのは美しいオルゴールの音色、そして暖かみのあるオレンジ色の灯りだった。
館内を見渡すアナタの後ろで、扉がゆっくりと閉まっていく。
アナタの目の前には美しく、無機質で、異様な、混沌とした光景が広がっていた。
横からアナタに声が掛かる。
「お客さんですね。ようこそお越し下さいました。まずはこちらで、お茶でもいかがですか?」
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(こちらは雑談トピになります。)
寝子高の学生か?(心花さん、勘助さんを等分に見て)
俺は斑鳩遥。寝子島水処理センターの研究員をしている
(オーデンさんに向き直り)
どうも。
(展示品を一つ一つじっくり眺め)
……なるほど、古今東西のからくり仕掛けを蒐集しているのか。
生命を得たように生き生きしたモノから無機物の美の結晶ともいえるもの、どれも精巧で見事な出来栄えだ
それぞれの逸話も興味深い
(館内を横切る美しい蝶をふと目で追い)
酔狂の極みだな。
この館に所蔵された作品はどれも実用性より観賞や愛玩に重きをおいたものらしい
造物主ならざる人の手が産み落とした機械生命……そこに宿る心を視てしまうのもまた人の感傷だと思うが
(冴来さんと陽太さん目をとめ片眉を上げる)
おや、また会ったね。此処の常連なのか。行動範囲の広い事だ
そちらの彼は……見覚えがあると思ったら呉井君か。
ここでバイトを?