『入館無料』の貼り紙と、開け放たれた門。
アナタは気後れしながらも門をくぐった。
青々とした芝生と季節の花に彩られた庭を進み、薔薇のアーチをくぐったアナタの前に、背丈の倍はあろうかという巨大な扉が現れる。
ゴシック調の白い外壁に負けぬ存在感を放つ、黒い観音開きの扉の前に立つと、薔薇に囲まれた獅子のノッカーの横に『入館の方はこちらを鳴らして下さい』と書かれている。
意を決したアナタが2回ソレを鳴らすと、ゆっくりと扉が開き始めた。
出迎えてくれたのは美しいオルゴールの音色、そして暖かみのあるオレンジ色の灯りだった。
館内を見渡すアナタの後ろで、扉がゆっくりと閉まっていく。
アナタの目の前には美しく、無機質で、異様な、混沌とした光景が広がっていた。
横からアナタに声が掛かる。
「お客さんですね。ようこそお越し下さいました。まずはこちらで、お茶でもいかがですか?」
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(こちらは雑談トピになります。)
(須崎さんの言葉に苦笑して)
学生の頃はまだ将来のことも想像できませんでしたが、過ぎ去ってしまうと一瞬ですよ。
過ごしている間は気づけなかったことに気づいたりもして。
ああ、そんなことに気づかないほど時の流れは早かったんだなって感じます。
・・・って、今が青春の若い子にこんなこというのも年寄り臭いですね。
(自分の言ったことに恥ずかしそうに苦笑して)
(呉井さんの言葉に首を振って)
いえ、私もわかりづらい言い方をしていたのでお気になさらないでください。
当時は・・・今もですが、自分より優れた作り手の方は沢山いますからね。
そういう方々の作品を目にするとやはり自分もいい物をという対抗心や向上心が沸いてきます。
きみも、こんなに素敵な作品達に囲まれて刺激的な羨ましい環境ですね。
(展示品に目を向けて穏やかな微笑みを浮かべて)
ニャッタ君も、素敵な作り手に作られて幸せですね。