『入館無料』の貼り紙と、開け放たれた門。
アナタは気後れしながらも門をくぐった。
青々とした芝生と季節の花に彩られた庭を進み、薔薇のアーチをくぐったアナタの前に、背丈の倍はあろうかという巨大な扉が現れる。
ゴシック調の白い外壁に負けぬ存在感を放つ、黒い観音開きの扉の前に立つと、薔薇に囲まれた獅子のノッカーの横に『入館の方はこちらを鳴らして下さい』と書かれている。
意を決したアナタが2回ソレを鳴らすと、ゆっくりと扉が開き始めた。
出迎えてくれたのは美しいオルゴールの音色、そして暖かみのあるオレンジ色の灯りだった。
館内を見渡すアナタの後ろで、扉がゆっくりと閉まっていく。
アナタの目の前には美しく、無機質で、異様な、混沌とした光景が広がっていた。
横からアナタに声が掛かる。
「お客さんですね。ようこそお越し下さいました。まずはこちらで、お茶でもいかがですか?」
・・・・・・・・・・
(こちらは雑談トピになります。)
(皆口さんの質問に少し考えて)
どんな・・・ですか?そうですね・・・。
彫金や鋳金の技法を用いて金属製の物を作ることが多いです。
宝石や天然石をあしらった物、シンプルなシルバーアクセサリーに彫金を施しただけの物。
ネックレスやリング、アンクレットなども作りますし一概にこれ・・・と言える物はないかもしれません。
(展示されている物を作れる?の問いかけに)
私は内部の精密な機巧の知識がないのでこういった作品を作るのは無理ですね。
外見だけなら物によっては似せることはできるかもしれませんが・・・。
やはり私が作る物とは畑違いの作品だと思いますよ。
(そう言って展示物を見回し)
(須崎さんの言葉に微笑んで頷いて)
自分で作った物は愛着もわきますし、出来上がった時の喜びや達成感もありますからね。
作っているときに楽しいと感じられたら尚更ですよ。
(呉井さんの言葉に頷いて)
学生時代や修行時代は技術を身に覚えさせる為にも自習として沢山の品を作りました。
ごてごてしたドクロのシルバーリングなんかも作りましたし、蜘蛛の巣なんかも作りましたね。
様々なお客さんの要望に応えるスキルを、と思ってのことでしたが・・・。
師や講師にそういう物ばかり提出した時は、呆れられていましたね。
(思い出してくすりと笑って)
直接販売できる機会については今後色々と触れていきたいと思っています。
出来ることなら、お客さんの顔を直接見てみたいですし。
(皆口さんと呉井さんの言葉に鞄から名刺入れを取り出して)
私は御子神緋梨といいます。
字はこちらを。
(自分の個人ブランドの名刺をこの場の人それぞれに差し出し)