『入館無料』の貼り紙と、開け放たれた門。
アナタは気後れしながらも門をくぐった。
青々とした芝生と季節の花に彩られた庭を進み、薔薇のアーチをくぐったアナタの前に、背丈の倍はあろうかという巨大な扉が現れる。
ゴシック調の白い外壁に負けぬ存在感を放つ、黒い観音開きの扉の前に立つと、薔薇に囲まれた獅子のノッカーの横に『入館の方はこちらを鳴らして下さい』と書かれている。
意を決したアナタが2回ソレを鳴らすと、ゆっくりと扉が開き始めた。
出迎えてくれたのは美しいオルゴールの音色、そして暖かみのあるオレンジ色の灯りだった。
館内を見渡すアナタの後ろで、扉がゆっくりと閉まっていく。
アナタの目の前には美しく、無機質で、異様な、混沌とした光景が広がっていた。
横からアナタに声が掛かる。
「お客さんですね。ようこそお越し下さいました。まずはこちらで、お茶でもいかがですか?」
・・・・・・・・・・
(こちらは雑談トピになります。)
(皆口さんの問いかけに)
はい、私はアクセサリー製作の仕事をしています。
普段作る作品は原型に重きを置いているので内部まで精巧な物は自分とは違った分野で新鮮ですね。
内部の仕組みたしかに難しそうですね。
(くすりと笑いながら)
(神城さんの言葉に頷いて)
ええ、人を惹きつける魅力のある場所なのだと思います。
私も居心地よく感じていますから。
(問いかけに小さく首を振って)
ここに来るのは初めてです。
たまたま見つけて、なんとなく気になり入ってみたんです。
(須崎さんの言葉に微笑み)
ふふ、よくわかりましたね。
蝋で原型を作って石膏で型を作り、そこに熔かした金属を流し込むことで形作るんです。
細かな形の物も作れますし、若い子が好きそうな物も作りやすいと思いますよ。
(どこか嬉しそうに話す)
きみくらいの歳からなら、まだなんだってできますし。
将来、ここに展示されている作品のように誰かが心惹かれる物の作り手になっているかもしれませんよ。
(呉井さんの言葉にくすくす笑って)
自分の好きなものを作るというのは大切なことですからね。
私も、修行の合間に自分の私物を好きなように作っては師に呆れられていましたから気持ちはわかります。
(メールの話題に頷いて)
はい、お客さんからの言葉はとても嬉しく励みになります。
本当は直接渡せるといいんですが・・・独立したてなのでほとんどネット注文しか受けていないんです。
個人の店舗は持てませんし、店舗への納品はしていますが私が直接手渡すことは稀ですね。
(複雑そうに苦笑して、その後の言葉に今度ははにかみ)
そこまで真っ直ぐに言われると少し照れてしまいますね。
褒めても何も出せませんよ?