遊園地の敷地内にある野外音楽堂
石造りのステージでは嘗て手品やお芝居、ヒーローショーが演じられていたが、今は演者も観客もなく静まり返っている
ステージには壊れたピアノが一台打ち捨てられている……
(品定めの視線に対してむすりとした視線をぶつけ)
あんまジロジロ見んなや、オマエそれ行きずりのオレやから別にええけど。
好きな子とかにそんなんしたらアカンぞ。モテへんくなんで?
こういうのはなあ、さりげなく!ナチュラルに!流れるように!やるもんやで?(足を組んでふんぞり返り、何故かドヤ顔を向けつつ)
そこな兄ちゃんがいくつか知らんけど、まあ多分一緒くらいやろな。
ええやん、年なんてほっといても重ねざるをえんのやし。
せやろ、若いやろオレ。……って、言動が!?じゃかまし!!(ぷんすか
なんや、そういう意味かよ。まあオレ殆どテレビとか見んから、たとえ真横に有名人居っても分からんけどな。
(指に付いた埃を一息で吹き飛ばし)
いや、全然気にしてへんから気にせんで、兄ちゃん。
兄ちゃんも同郷か、あんま訛ってへんねな。こっち渡ってきてから長いん?
……オレ?見たことあんの?オレは覚えてへんけど、どっかで会うてたらおもろいな、それ。
(にかりと笑みを向け)