東側の二階。
日当たりの良い室内に揺り椅子がゆれている。
壁際には棚が取り付けられ、本や小物で溢れている。
(手遊び代わりに簡単な刺繍をしながら)
真辺くんに任せたままにしていましたけれど……
店、今どうなっているんでしょう?
たまには覗きに行ってみるべきですかね。
……椅子の座り心地がいいですねぇ……。
(動きたくないだけの駄目なおじさんの様だ)
ああ、大丈夫そうね?よかったわ
そう?問題ないのならいいのだけれど……
いいえ、別に部屋に入りきれば大丈夫よ!入らなくても隣の部屋に置いちゃえばいいわ。
ここ、部屋は無駄にあるもの。二部屋使っても罰は当たらないわよ
うふふ……いつでもどうぞ!
(ノックの音に気付き)
はい。おりますよ。
少々お待ち下さいね。
よっこいしょ、っと。
(椅子から立ち上がり扉を開け)
お待たせ致しました。ええ、大丈夫ですよ。
今のところ床板や壁で弱っているところは見受けられませんし
手を尽くして頂きましたから、汚れ等も気になるところはありませんし…。
いえいえ。こちらこそ、色々運び込んでしまって申し訳ない。
ふふ、はい。困った事があったら頼らせて頂きますね。
(廊下から扉をノックし)
弓立さんいるかしら?
お部屋は問題ないかしら。床や壁に穴が空いてたりしたら別の部屋に移すわ。
一応掃除はしておいたのだけれど汚かったらごめんなさいね
私の手伝えることがあるなら言ってちょうだいね
ロザリーさんから部屋をお借り出来たので張りきってしまいました。
けれど少し、物を運び過ぎましたかね。
まだ増えるでしょうし、もうちょっと抑えておくつもりだったのですが……。
でも、この子達を暗い箱の中仕舞っておくのは忍びないですし。
(膝の上に置いた標本箱を撫でながら)