ドアを開けると簡素なベッドが見える。
その前にはこの部屋の住人が拘ったのだろう、部屋に不釣り合いな程綺麗に磨かれたアンティークの机と椅子が鎮座している。
食器棚の中身はガランとした中に、ぽつりとアンティークのティーセットが並べられている
…たまに上機嫌でお菓子を焼く姿がみられるとか…。
えへへ、なゆたも冴来を愛してるよ!
なゆたは、まだまだだって事だね。
いつかね、冴来の唯一無二になりたいの、なゆたは。
大事にされるよりも、壊されたい
(虚ろな瞳で俯いて
ふふ、冴来はそいつが好きなんだね。
愛しい、恋しいって、そういう気持ちだよ
お砂糖みたいに甘くて、飴を噛んだ時みたいな痛み。
(貼り付けたような笑みで
でもね、冴来
愛は、恋は、人を狂わせる。
麻薬みたいなものだよ
ふわふわ夢みたいに楽しいのは一時だけ
いつか自身を滅ぼす事になるのに人は気付かない
だからなゆたは、男の人は嫌い。
冴来がそいつを好きで幸せならなゆたは応援するけれど
冴来をとられるのはとっても癪だなぁ…。
(にぱっと笑いかけるも、瞳は影を帯びてどろりとしている