ドアを開けると簡素なベッドが見える。
その前にはこの部屋の住人が拘ったのだろう、部屋に不釣り合いな程綺麗に磨かれたアンティークの机と椅子が鎮座している。
食器棚の中身はガランとした中に、ぽつりとアンティークのティーセットが並べられている
…たまに上機嫌でお菓子を焼く姿がみられるとか…。
ええ。私は那由多が好き。
大好き。愛してるわ。
だから、忘れない。
けれど、貴女を壊す気にはなれないのよね…。
そこまでの強い愛情は、私は貴女にもっていないのかも…。
壊されたい…その気持ちは、分かる…。
私もあの人になら、壊されてもいい。
ううん、壊して貰いたい…。
胸が暖かいのに苦しくて切なくてやりきれなくて…。
何もかも、妹を投げだしても
傍に居たいと思ってしまう…。
大好き、愛しい…。
そんな言葉じゃ足りない…。
触れたくて触れたくて仕方が無くて
凄く凄く、会いたくなる…。
そういう人が、私にはいるの。
この気持ちは、なにかしらね…。
今迄感じたことのない、私の知らない感情…。
あの人を想うと、とても胸が高鳴る…。
今も、そう…。
一体、これは、何…?
那由多、貴女は知っている?
(熱に浮かされた様に
ぽつりぽつりと言葉を吐き