ドアを開けると簡素なベッドが見える。
その前にはこの部屋の住人が拘ったのだろう、部屋に不釣り合いな程綺麗に磨かれたアンティークの机と椅子が鎮座している。
食器棚の中身はガランとした中に、ぽつりとアンティークのティーセットが並べられている
…たまに上機嫌でお菓子を焼く姿がみられるとか…。
私は那由多を忘れないわ。
私が貴女を忘れたら、貴方はとっても悲しいでしょう?
だから、私は貴女を忘れたりしない。
約束するわ。
私、貴女のことも愛しているつもりなのだけれど。
あの子が羨ましいね…。
羨ましがるような、いい愛情じゃないかも知れないわよ?
私、時々…時々だけど
あの子を壊してしまいたくなるの。
だって最近のあの子は、全然私の思う通りにならない…。
私は我儘で、残酷だから
思い通りにならないものはすぐ壊してしまいたくなるのよ。
(頬杖をついてにっこりと笑い
ん、ああ…。
ピンクは恋の色、ってよく言うでしょう?
恋ってどんなものかしら、なんて思ってね。