ドアを開けると簡素なベッドが見える。
その前にはこの部屋の住人が拘ったのだろう、部屋に不釣り合いな程綺麗に磨かれたアンティークの机と椅子が鎮座している。
食器棚の中身はガランとした中に、ぽつりとアンティークのティーセットが並べられている
…たまに上機嫌でお菓子を焼く姿がみられるとか…。
…そう。
貴女の私への執着はよくわからない…。
まあ、独占したいとまでは思わないけど
私も那由多のことは大好きよ。
(手招かれるまま椅子に座って溜息をつき
ありがとう。
砂糖とミルクもあるなら貰える?
クッキーもちゃんと食べてあげるから
そんな不安げにしなくていいわ。
貴女のことだし、私の為に作ったんでしょう?
貴女の努力を無駄にはしない。
…不味かったら残すけれどね。