おかえりなさい。
古屋敷に住まう世間知らずの女性。
彼女はおかしな形をした陶磁器のティーポットを傾け、誰かが訪れるのを待っている。
あらあらあら、このままでは私ばかりが太ってしまうわ。
彼女の前には大量のキャロットケーキ。
キッチンには作りすぎだと言わんばかりに湯気を漂わせながら、口を開けたままのオーブンがあった。
(pm 15:00 魔女の家)
はい。ありがとうございます。
可愛いものが沢山…。
(店内を見渡す内に、テーブルに置かれた
キャロットケーキに気付き)
あの…。
これから誰かとお茶会をするご予定が…?
あらあらまあまあ、ごめんなさいね。
あまり面白いものはないのだけれどゆっくりしていってくださいね。
(店内を眺めると、かわいらしい雑貨やキルト生地の小物が置いてある雑貨スペースと、古い店内の中でもひときわ年季物であろう大きな古時計、アンティーク調のテーブルの上に並んだキャロットケーキが目に入るでしょう)
えっと…。迷子ではないのだけれど…。
中を見せて貰っても大丈夫ですか…?
ケーキの作りすぎで疲れていたのでしょうか……おやすみしてしまっていたようです……(目をこすり)
私ももうクソババアね…(冷めてしまった紅茶に目を落としぽつり)
(人影に気づいて)
あらあらあら!可愛らしいお客様……!
ごめんなさい、お待たせしてしまって。
……それとも迷子の子うさぎさんかしら?(首かしげ)
ここはお店…?
入っても大丈夫、かな…?
お邪魔しますー…。
(おずおずと
あらあらあら、うーん…うーん…
少しばかり片付けに手間取ってしまいましたので、お店はしばらくしてからが良いでしょうか…
なんて、これも独り言なのですけれど(スプーンでミルクをかき混ぜながら)
ケーキも作り過ぎてしまいましたし、どなたか手伝っていただける方がいれば…(ふぅ、とため息)