礼拝堂の中央には像があり、周囲は壮麗なステンドグラスに彩られている。
普段は大勢の人達が集まるこの場所だが、今日は人がまばらなようだ。
【若菜さんへ目を細めて笑いかける】
あらまあ、そうなのですね。ご親切にどうもありがとうございます。
この島に引っ越してきて大正解でしたわ。親切な方ばかりであたくし驚いておりますの……、とても感激ですわ。
本当に素敵なステンドグラス……、ずうっと見ていても見飽きませんわね……。
シスター様にもいつかお会いしてみたいですわ。
ええと、十文字様かしら。他の方に名乗られるのを伺ったものでございますから。
初めまして、あたくしは柳子=サマンサ=テイパーですわ。柳子とでもサマンサとでも、お好きなように呼んで下さいましね。
まだ越してきたばかりで知り合いが少ないものですから……、声を掛けて下さって、あたくしとても嬉しいですわ。
【ふふ、と心底嬉しそうに微笑みかけ】
【ムゲンさんの方に顔を向けて目を細める】
あらあ、あたくし何かご機嫌を損ねる事を言ってしまったかしら、ミスター?
ええ、ええ、あたくし言外に貴方の仰る事柄を込めたつもりだったのですけれど。
教えが伝わって、しかもこんなに美しい拠り所となるだなんて!
美しい場所に大も小もございませんわ。あたくしはそう思って先の言葉を発しましたの。
【火の点いていない煙管を片手でくるくると回しながら無邪気な笑顔を向け】