(手入れの行き届いた庭には
色とりどりの花が咲き乱れている。
白色の小洒落たカフェテーブルが設置されており
天気のいい日にここで過ごせば
穏やかな時間を過ごすことができそうだ。
…ん…。
…しょうがない、から…許して、あげる…。
(心地よさそうに微笑み、ゆっくりとした動作で空を見上げる)
…うん…いい、天気…。
…まるで…お兄ちゃん、みたい…。
ちょっと用事が出来てな。
でもちゃんと来ただろ?
そんな拗ねるなって。
(苦笑し冴来の頭をぽんぽん
今日はいい天気だなあ。
(空を見上げる
……。
(つい、と視線を空から和哉に移した、再び空に視線を戻し)
……お兄ちゃん…来るの、遅い…。
…私…ずっと…待ってた、のに…。
…もう…こないんじゃ、ないかって…心配…してた…。
…お兄ちゃんの、馬鹿……。
(そっと目を閉じそっぽを向く
遅れちまったし、あいつ怒ってるかもな…。
(携帯で時間を確認しながら入ってくる)
おーい、冴来!遅れて悪い!
って、なんかぼーっとしてるな…。
大丈夫か?
(隣に座る
……疲れた……。
(小鳥を追いかけ回すことに飽きたのか
溜息をついてその場に座り込む。
再び小鳥が冴来の肩にとまりぴぃちく囀る)
…もう…。…どうして、貴方は…空を、飛ぶの…?
…私は…飛べない、のに…。
…ずるい…意地悪…。
……。
(拗ねた口調で呟き、小鳥を恨めしげに一瞥した後
晴れ渡った空をぼんやりと見上げる)
…お兄ちゃん…。…まだかな…。…遅いなあ…。
…。
(再び本に目を落とすが、相変わらず
ぴぃちくと囀り続ける小鳥の鳴き声に
苛立たしげに眉根をよせ)
……だから……煩いって…。
…言ってる、でしょ…!!
(ばっと手で肩にとまった小鳥を振り払い
本を片手に立ち上がる。)
…煩い…!…煩い…!…貴方は、煩いっ…!!
…少しは、静かに、することを、覚えな、さいよ…!!
(バサバサと周囲を飛び回る小鳥を
本で叩き落とそうと追いかけ回す)
(椅子に腰掛けて読書。
肩には青い小鳥がとまり
ぴぃぴぃと引っ切り無しに囀っている。
冴来に何か話しかけている様子。)
…もぅ…。
…貴方は、うるさいな…。
…うるさい子は、私…嫌いだよ…?
(騒ぐ小鳥に不満気な視線を向け
指でつんつんと小鳥の体をつつく)
姉様は…。
姉様は今どこにいるのかな…。
僕の力を使えば、姉様を少しでも元気にできる…?
(庭の手入れをしながら
ただいま、みんな。
あ、あれ…。
僕、いつここのお花切ったっけ…。
姉様の悪戯…?
(少し悲しげに
もも、許してね。
貴女の為に祈るのだもの。
これぐらい頂いていってもいいでしょう?
(手に一輪の赤薔薇を持ち
小さく呟いた後、立ち去る)