(綺麗に整頓された部屋には
可愛らしいぬいぐるみが山ほど飾られている。
どのぬいぐるみにもリボンや
手作りらしい衣装がきせられており
どうやら、大切にされているようだ。
机には花柄のノートと
数本のペンが置かれており
中には丁寧な字で幾つかの文が書かれている。
このノートを覗くも文を書き足すも貴方の自由…。)
【ノートの中の文】
6月×日
学校の中庭に空いた穴の底には
暗くて広い空間が広がっていました。
暗くて、とっても怖かったけど
歩いている内に、沢山の人がいる場所にたどり着いたの。
美崎さんと珠喪ちゃんもいて、嬉しかった。
みんなのお話は、迷い込んだ僕にはよく分からなかったけど
みんな、仲良しで楽しそうで
凄く羨ましかった…。
僕とお話してくれた人もいたの。
変わった雰囲気の男の子。
姉様のお友達みたい。
おどおどしてばかりの僕に、
楽しみましょうって言ってくれたその人。
ここにいてもいいよって、
言って貰えたみたいで、少し安心したの。
美崎さんに案内してもらって帰るときも、
また馬鹿騒ぎしましょうって言ってくれた。
また来てもいいよ、ってこと、だよね…?
優しい人…。もっとお喋りしたかったな…。
また、会えるといいな…。
姉様、どこにいるの…?