ウチの店の店舗だ。
アンティーク調の時計が多いのは…まあ俺の趣味だから気にすんな。
客もじゃんじゃん来てかまわねえ。店が繁盛すんのは願ったりだからな。
従業員達が出迎えてくれると思うぞ、俺も出てくっかもしんねえな。
おう、来たな。
シグレ…に澪乃だったか。
(カウンター下から書類を取り出して眺めて)
……ほー、二人とも二年…か。
…あと一人採用した一年がいるからよくしてやれ。
それと俺のことは好きに呼んでいいぞ。
店長でもボスでも仁科でも通じりゃなんでもいい。
上下なんてもんは俺自身吐いて捨ててるようなもんだしな。
あとはそうだな…バイトにはだいたい店番してもらうことになるが…
シグレは紅茶淹れんのが得意だっけか。
客や得意先から貰った茶葉がいくつかあるから勝手に使っていいぞ。
澪乃は時計に興味があるって言ってたが…
(首から提げた懐中時計を眺めて)
……なるほど、そのまま大事にしてやんな。
ウチには時計の資料なんかもあるから勝手に見ていいぞ。
…ま、聞きたいことがありゃ聞いてくれ。
これからよろしく頼む連中だしな、俺のこともテキトーに知っといてくれりゃいい。