ウチの店の店舗だ。
アンティーク調の時計が多いのは…まあ俺の趣味だから気にすんな。
客もじゃんじゃん来てかまわねえ。店が繁盛すんのは願ったりだからな。
従業員達が出迎えてくれると思うぞ、俺も出てくっかもしんねえな。
ん?修理か…
(取り出された懐中時計をまじまじと眺めながら)
自分でバラしちまったのか…ま、ただの素人ってわけじゃねえみてえだし問題はねえな。
…表面上の目立った傷もねえし歯車の磨耗か…電気屋ってことは磁気帯びも…どっちにしろ時期的にもオーバーホールしちまった方がいいかもしれねえな…。
(しばらく集中してぶつぶつと独り言を呟き顔を上げて)
そうだな、見たとこ中の方の不調だろ。
時期帯びの可能性もあっから時期的にゃいっぺんオーバーホールして綺麗に整えてやった方がいいと思うが、それならこっちで預からしてもらうしかねえな。
……こんだけいい時計だ、しっかり調子戻してやるよ。
(また時計を見つめてどこか嬉しそうな、満足気な声で)
おう、シグレはご苦労さん。
で、そこのバイト…。
(イラついた様子で六月一日宮の方をじろりと睨んで)
今日は初日だから許してやる。けど次遅れる時は言っとけ。
シグレ、六月一日宮にも淹れてやんな。…部活後に走ったんじゃ疲れてんだろ。