希望戦士ニャンダム・オペレーション・エクソダス｜リアクション

希望戦士ニャンダム・オペレーション・エクソダス

●無理心中

　ミナ・ハニュウ（羽生碧南）は、地球共和国軍の学徒動員兵の一人として従軍する事になった身だ。当初の配属は衛生兵だったが、前線でのパイロット不足の煽りを受けてパイロットを志願させられ、速成コースを終了後に前線に配備、初陣をビギナーズラックで乗り切ってニャク１機を葬り去った。
　現在までになんとニャクを４機も葬り去っている。あと１機落とせばエースの仲間入りという所までやってきている。
　徴兵される前は高校の女子バスケ部員だったミナは動体視力や反射神経、そして勝負強さなどパイロットに必要な素質は備わっていたのだ。

　ニャブロー攻略前夜。ミナは神経が昂ぶって眠れない。明日は無事に生還できるのだろうかと不安に胸が押し潰されそうになる。今まで大丈夫だったから、これからも大丈夫……とは　断言できない。

（なにロクでもないこと考えてるんだろう。戦争が終わって故郷へ帰ったら、
　しばらくのんびりして……　恋でもしようかな。あてはないけど。
　軍隊にはあいにく、好みのタイプはいなかったな……
　気になった相手はもう売約済みだったし……）

　ミナの所属している部隊はニャブロー突入の先鋒だった。
　敵の抵抗は想像を絶するほどに激しい。部隊が敵の待ち伏せ攻撃に会い、あっという間に隊長も戦友も全員やられてしまった。
　ミナ自身はどうにか生き残ったが……　ミナの量産型ニャンダムは既に満身創痍のボロボロだ。

（どうやらここが死に場所らしいわね……　自分一人だけ死ぬのは嫌だ。せめて相打ちを……）

　攻撃を一身に受けながらもミナはニャンダムを走らせた。そして突出していた敵の一体を捕まえる。

「……ねえ、私とゾクゾクするような恋をして……　一緒に天国へ行かない？」

　撃たれまくったミナの機体はあちこちから火花が散り、もう限界だ。
　捕まった公国メカパイロットは誘爆を免れようと必死にもがくが、ミナはそれを許さない。
　間もなく機体は光に包まれ、轟音とともに爆発した――