希望戦士ニャンダム・オペレーション・エクソダス｜リアクション

希望戦士ニャンダム・オペレーション・エクソダス

●地獄の奥で

　ネムルと分かれたサキリは単独でニャブロー要塞の中枢である司令部を目指した。
もう退路なんて考えてはいない。地獄の奥へ奥へと、湧き上がる衝動のままに、ただ敵を倒し、突き進むのみだった。

　ついにサキリのニャンダムが大破したので、サキリはそれを乗り捨てて降り、敵から奪った銃とナイフで戦って先を進む。

　地獄のような戦場をくぐりぬけ、ついにサキリは要塞中枢司令部に到達した。
　そこで彼を待っていたのは公国軍技術武官のゴウ・カザマ（八神修）だった。

　ゴウはコンソールを操作し、何かしらかのデータのコピーを取っていたようだった。

「よくここまで来たな。これは撤退戦だ。だが、公国はただでは負けぬ」

　サキリに銃を向けられながらもゴウは強気の姿勢を崩さない。

「もうすぐ『共和国の砲撃』でこの要塞の炉心が制御不能になり暴走して爆発する」

「馬鹿な事を言うな。作戦に要塞の爆破は含まれていない。お前の差し金か！」

「お前たちの民間人をも手にかける非人道的な作戦行動や官僚同士の汚い密約のデータは取らせてもらった。
　戦後、どうなるか楽しみにするんだな……ジーク・ラクシーン！」

　ゴウは発射されたサキリの銃弾を掻い潜り、司令部のすぐそばに隠してあったニャゴックに飛び乗ると、急いで隠し水路から要塞を脱出する。

　サキリは慌ててコンソールを見るが、そこには炉心爆発までのカウントダウンが見てとれた。解除する技術も時間も今はここにはない。
　サキリは悔しさを胸に司令部を後にした。途中できる限りの味方に要塞自爆の危険を知らせながらの脱出だ。

　ニャブロー要塞を脱出したゴウは軍服を脱ぎ捨て、一般人の服装に着替える。

「……さて、これからどうするかな？」

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