【ハロウィン】寝子島神社で仮装行列をしたっていいじゃないっ！｜リアクション

【ハロウィン】寝子島神社で仮装行列をしたっていいじゃないっ！

　御剣刀は侍の恰好をしたサンマさんの扮装、侍サンマさんのコスプレでイベントに参加していた。
　通常のサンマさんとは違い、お腹の部分に顔を出す穴があいているので、真上を向きっぱなしにならない安全仕様だ。
　それは転んで周りに迷惑をかけてはいけないと考えた刀の案だった。

「コスプレは神社での催し物だし和風の方が良いかと思ったが、なんでも良かったみたいだな……」

　刀の言うとおり、コスプレ行列はもはや何でもありのカオスゾーンと化していた。
　刀は近くに店を出していた月詠の屋台、『TRICK＆TREAT』に顔を出す。

「お前何でもありだなー」

　感心しながらベビーカステラを一つ注文。早速出てきたそれをひょいひょいと口の中に放り込んで味を確かめる。

「ぶはっ！」
　
　刀が口にしたのは『阿鼻叫喚』のマスタード入りベビーカステラだった。たまらずむせて噴き出してしまう刀。

「何だよコレ！すっごい辛いんだけど、てかむせる。ゴホッゴホッ」

「ふははは、見事ロシアンルーレットの当たりを引き当てたね。おめでとう」

　不敵に笑う月詠。

「あの狛猫は神楽か？」

　騒ぎながらも刀はふと、忙しそうにお菓子を配っている狛猫さんに気が付いた。
　なんとなく舞が催し物の手伝いだけで終わってしまうのは寂しいかなと感じた刀は、思い切って舞を遊びに誘ってみる事にした。

「はいトリックオアトリート」

　と狛猫さんを取り巻く人影が少なくなった所で、冷たいジュースとお菓子を差し入れする刀。

「あっ、御剣君。ありがとう」

「お疲れ様、頑張った狛猫さんにちょっとしたご褒美があってもいいだろう？
　神社の手伝いも大事だっていうのは分かるけど、これだけ楽しそうなんだ少しは息抜きしてもいいんじゃないか？
　狛猫さんと侍サンマさんのデートって言うのも楽しそうだよな」

「ええと……」

　迷ったように周囲を見まわす舞に御鏡聖が助け船を出す。

「狛猫さんは私が交代しますから、舞さんはゆっくり遊んで来て下さい」

「ホント？　悪いわね。ありがとう！」

　舞は聖に礼を言うと、刀と一緒にイベントを見て回る事にした。

「深縹さんも屋台をやるって聞いてたな。行ってみよう」

　刀は舞の手を引いてエスコートする。