ある日の寝子高生徒会会議｜リアクション

ある日の寝子高生徒会会議

○体育祭実行委員会報告

　各委員会が報告を終えていく。
「それでは、体育祭実行委員長、報告を」
「はーい、では資料配りまっす」
　志波武道が元気よく立ち上がり手ずから資料を配ろうとするが。
　奈良橋博美が立ち上がり資料を受け取った。
「俺がやるから、先輩は報告始めてていいぜ」
「おおサンキュー、助かる☆」
　席へ戻った武道は報告を始めた。おちゃらけた口調だが、内容はしっかりしている。
「今回は全校生徒アンケートでテーマ『虹』に決めさせてもらったよ、投票してくれた人たちはありがとう！
同じく実行委員として動いてくれた人や、各委員、各部活に対し尽力してくれた事に改めて感謝を。
今回の体育祭での経費は配布した資料を見てくださいっと」
　資料を持つ紙の音が会議室に広がる。
「昨年度のボードとか保管物から流用できるのはやったので、ちょっと節約にはなったかと。
体育祭中怪我人等はこの位で……９月だから念の為熱中症対策の飴や飲み物も用意していたな。
後は……質問あるー？　そうだな、信彦くん！」
「……へっ？！」
　武道は、ホスト部の後輩である眠そうな様子の八十八旗信彦をすかさず指名した。
「い、いや別にないよ」
　レディの発言とレディに関する話題以外興味のない信彦は、少しうとうとしかけていたのだ。
「眠そうだな、マッサージしてやるよ」　　
　１８８ｃｍ、ラグビー部の弦一郎が立ち上がり、信彦の元に向かう。マッサージ施術は弦一郎の特技であり、あくまでおもてなしのつもりである。
「ノー！　マッサージならレディに頼むよ！」
　慌てて目が覚めた信彦の拒否っぷりに笑い声が起きる。
　弦一郎は信彦の気持ちを察して席に戻っていった。恋しい彼女のほうを見て笑顔に満足しながら。
「それじゃ、質問ないようなんで体育祭実行委員の発表を終わりマッス！」
　責務を果たし、席に着く武道だった。
「新聞部が編集した、体育祭の記録ＤＶＤも提出しておく」
　１－５の八神修がDVDを執行部に手渡した。

「委員会からの報告は以上だな。質問や意見がなければ議題の審議に移るが」
　生徒会長の言葉に、すっと手が挙がった。　