ある日の寝子高生徒会会議｜リアクション

ある日の寝子高生徒会会議

○会議前

　ある日の放課後。生徒会会議に出席するため、生徒会室に生徒たちが集まっていた。
「今日はどんな会議になるのかなー」
　１年４組の学級委員畑中華菜子は、隣に座った同じクラスの学級委員に声をかける。
「体育大会を振り返る必要はあるわね、あたしはあんまり意見ないけど」
　燃えるような赤毛の日独クォーター、神薙焔がそれに答えた。
「もうすぐ生徒会選挙があるアルナ。誰が生徒会長になるのかなー、財前先輩は立候補するのかなぁ。立候補するなら私頑張って応援するアル」
　ラーメン屋の娘である華菜子は日本人なのだが、中学時から何を間違ったのか語尾に「～アル」を付けている。
「オーッホッホッホ！」
　その時、高笑いが響いた。
「噂をすれば、ね」
　焔が入り口を見やる。
「私の威光を知らしめる生徒会会議がやってきましたわね」
　ゆる巻きの金髪をなびかせ、財前華蓮が現れた。
　次期生徒会会長を目指す目立ちたがりのお嬢様である。
「あら、こんにちは畑中さん。そろそろ中間テストですわね。この寝子島の頭脳財前華蓮が直々に勉強を教えてあげますわよ！」
　自分を慕ってくれる可愛い後輩には優しくしなくては、と思う華蓮。
「ありがとうございますアル。数学を教えていただけたら嬉しいアル」
「オーッホッホッホ！　任せなさい」
「私は、まだまだひよっこの一年生アルから役員に立候補出来ないアルナー。来年しっかりした上級生になれたら、書記とか会計とか……ちょっと憧れるアルナ。今の生徒会長とか各委員長みたいに皆に頼られるしっかりした上級生になりたいナー」
「畑中さんならきっとなれますわ」　
　華蓮がなぜか胸をそらす。
「私のようなお手本がそばにいるんですもの」

「何か手伝えることはありますか？　会議用の資料を配るとか、生徒会から生徒向けに配る資料をステープラーでとめるとか」
　庶務の先輩に尋ねたのは１－９の学級委員、奈良橋博美。
　男子制服姿だがれっきとした女生徒である。
　執行部の人達の活動がやりやすいような環境作りを手伝おうと、さっそく庶務担当に頼まれた書類配布を始めた。
（いろんな人との協力しあい、交流もやっていきたい。せっかくクラスの垣根を越えたつながりが持てるんだ）
「素晴らしいですね。私もお手伝いしましょう」
　同じ猫鳴館の寮生である、美化委員の森蓮が声をかけてきた。
「サンキュー、それじゃ半分頼む」
（いろいろ顔を売っておいたほうが、今後いろいろ役に立つだろうし。寮で一緒の仲間もそれなりにいるから、楽しく過ごせるだろ）
　などと思う博美だった。　
　

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